2016年のF1シーズンにおいて大きな見どころとなるのが、フェラーリが絶対王者メルセデスAMGを倒すことができるかどうかということだろう。
■打倒メルセデスAMGを目標に掲げるフェラーリ
フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネは、2016年シーズンを迎えるにあたり、次のように語っている。
「目標は、友人であるトト(ヴォルフ/メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクター)の顔からほほ笑みを消すことだ」
2014年と2015年に圧倒的な強さを見せつけたメルセデスAMGだが、ヴォルフは最近、そういう時期もすぐに終わりを迎えるのではないかと「常に懐疑的」に考えていると認めていた。
だが、2年連続でチームメートのルイス・ハミルトンにF1タイトルを奪われてしまったニコ・ロズベルグはフィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』に次のように主張している。
「2016年に関しては、チームがまた僕のために素晴らしいクルマを造ってくれるという自信があるよ」
「だけど、僕たちは赤色(フェラーリ)の脅威があることも分かっている。彼らが今以上に僕たちとの差を詰めてきて欲しくはないね」
■フェラーリ、メルセデスAMGとの差を詰められる?
2015年シーズンには、メルセデスAMGを倒す可能性を持ったチームはフェラーリだけだった。だが、セバスチャン・ベッテルが3勝をあげたものの、ハミルトンとロズベルグの2人で全19戦中16勝をあげたメルセデスAMGとタイトル争いをするには遠く及ばなかったのが現実だ。
フェラーリのアリバベーネは、2016年シーズンにはF1タイトル獲得を目標に置いていると語っているが、少なくとも2015年の戦力図を見る限りにおいて、それは無謀な目標だと考える者も少なくない。
「それでは、どういう目標を持てと言うんだい? みんなに向かって、来シーズンは2位になりたいと思うと言えばいいのかな?」
そう反論したアリバベーネは、次のように続けた。
「もちろん、勝利を収めることが我々の目標だ。だが、だからといってそれを達成できるという保証はない。それでも、全力を尽くしていくつもりだ」
■戦えるかどうかは2016年型車次第
一方、キミ・ライコネンもフェラーリが2014年から2015年シーズンに向けて大きく進歩をしたのは「明白だ」と語り、次のように続けた。
「どういう視点から見ても、前年よりチームは大きく強さを増していたよ」
「もちろん、目標は常にトップを争うことだし、メルセデスAMGがここ数年非常に強いから誰もが彼らを打ち負かそうと頑張っている」
「それができるかって? 少なくとも僕たちはそうなることを願っている。テストや最初の数レースをサーキットで走ってみるまで待たなくてはならないけれど、そうすれば僕たちの本当の力が見えてくるはずだ」
「もちろん、ファクトリーでは、数値やいろんなものに関する多くの取り組みがなされてきた。だけど実際にサーキットで走って見るまでは本当のことは分からないんだ。そうすれば僕たちもかなりよく見えてくる。数周もすれば、すぐに感触をつかむこともできる。そしていいクルマなのか、それほどよくないクルマなのかが分かるだろうね」
そう述べたライコネンは、次のように付け加えた。
「僕たちは強力なパッケージを手にすることができるはずだ。だけど、それで十分かどうかは、時間がたってみないと分からないよ」