メルセデスAMGは、タイヤの空気圧に関してルール違反は犯していないと主張している。
F1第12戦イタリアGPで、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグに関し、スタート前にタイヤの空気圧が規定を下回っていたとしてレース後に審議となった。しかし、結果的に処分は下されなかった。
これは、グリッド上で空気圧を計測した際は、タイヤウォーマーの電源が入っておらず、タイヤの温度が下がって空気圧も規定を下回っていたが、ピットでタイヤを装着した際には適切な数字だったことが確認されたためだ。
ピレリは、安全性を確保するため、イタリアGPからタイヤの最低圧力を規定。これを守るよう、FIA(国際自動車連盟)が全チームに通達していた。
この規定ができたのは、前回の第11戦ベルギーGPでロズベルグとセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のタイヤが破裂する事故が発生したためだ。
■疑惑を否定するチーム首脳
故意に空気圧を下げていたのではないかという疑惑について、メルセデスAMGのチーム代表トト・ヴォルフはこう話す。
「スパ(ベルギーGP)のあと、タイヤの安全性を確保しようと、われわれはピレリと共に懸命に取り組んだ。それなのに、そんな愚かなことをするわけがない」
「皮肉どころの話ではない。実にばかばかしいよ!」
メルセデスAMGの非常勤会長ニキ・ラウダは、新ルールの取り締まり方に問題があると話す。
「グリッド上で計測した際は、タイヤウォーマーがしばらくオフになっていた。そうすると空気圧は下がる。レース中には再び上がる(摩擦熱でタイヤの温度が上がるため)」
「われわれに派遣されたピレリのスタッフが、タイヤメーカーの代理として正しい空気圧に設定したら、あとはわれわれにできることはない」
■前日のGP2では失格に
イタリアGP決勝前日に行われたGP2の予選では、同じ理由で予選タイム抹消となったドライバーもいる。
ペナルティーで最後尾スタートとなったミッチ・エバンスは、メルセデスAMGが不問とされたことに当然ながら不満だ。
「一貫性があって素晴らしいね」とエヴァンズはツイッターで皮肉った。「じゃあ、僕の一列目も返してくれよ」