F1イタリアGP(6日決勝)で、ピレリが提案したタイヤの空気圧が問題になっている。
第12戦ベルギーGPで2件のタイヤ破裂が発生したことを受け、ピレリはイタリアGP前の3日(木)に、タイヤの空気圧を5psi(ポンド毎平方インチ)上げるよう全チームに求めた。
これは従来より空気圧を20%も上げることになり、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は「最悪の事態」になると懸念を示していた。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、あるチームのエンジニアが次のように語ったと伝える。
「もしベッテルのタイヤ破裂がパンクだったのなら、空気圧を上げるのは正しい対策ではない」
「そんな空気圧は誰も経験がない。これまでに使っていたのは最高で21psiだ」
こうした反発を受け、ピレリは翌3日(金)のフリー走行開始直前に、フロントは3psi、リアは1.5psi上げるという妥協案を提示した。
フリー走行の結果を分析し、ピレリが推奨値をさらに変更する可能性もあると伝えられている。
F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、ピレリを擁護する姿勢を示し、F1の商業権を管理するFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)の声明で次のように警告している。
「ピレリは、供給するタイヤのパフォーマンス限度に関して競技者に明確なガイダンスを提供している」
「競技者は、レースにおける作戦や戦略を定める際には、ピレリの専門家による助言に対し十分な注意を払わなくてはならない。もしそうしないのであれば、それに伴うリスクについては自分たちで責任を負うべきだ」
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