先週末のF1ハンガリーGP(第10戦)では、ダニール・クビアトが2位、ダニエル・リカルドが3位と、2人そろって今季初めて表彰台に上ったレッドブル。だが、この調子が今後も続くとは考えていないようだ。
【結果】F1ハンガリーGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
■ベルギーやイタリアでは無理だとレッドブル
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、「残念だが、スパ(第11戦ベルギーGP/8月23日決勝)やモンツァ(第12戦イタリアGP/9月6日決勝)では、雨でも降らない限り、同じことは起こらないだろうね」と語っている。
今季も、搭載するルノーエンジンのパフォーマンス不足や信頼性不足に悩まされているレッドブルだが、先週末のレースの舞台となったハンガロリンクは、ストレートが少なく、曲がりくねった低速サーキットであることから、エンジンパワーへの依存度は低くなるサーキットだった。
「ストレートよりもコーナーのほうが重要なサーキットであれば、我々にもチャンスが生まれる」とドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』に語ったマルコは、次のように続けた。
「スパにはさらに改良パーツを持ち込むことになっている。だが、残念ながら、エンジンに関してはソチ(第15戦ロシアGP/10月11日決勝)まで、新しいものは何も得られないんだ」
■ルノーとの決別は確定的か
そして、そのロシアGPが開催されるころには、レッドブルとルノーが決別することが発表されているかもしれないと考えられている。すでにルノーは、ロータスを買い戻してルノーF1を再結成することが確定的であると報じられており、これを受けてレッドブルではメルセデスとエンジン供給に関する交渉を開始しているとも伝えられている。
もちろん、そうなれば、レッドブルのジュニアチームであるトロロッソもルノー以外のエンジンサプライヤーを見つけなくてはならなくなる。
現在、レッドブルとルノーの間には2016年までの供給契約が結ばれている。だが、レッドブルでは、ルノーから供給を受けたエンジンが、そのパフォーマンスに関しては「約束されていたレベル」に到達しなかったという理由で契約を解除することも可能のようだとのうわさもささやかれている。
■レッドブルはメルセデス、トロロッソはホンダ?
そんな中、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、レッドブルでは2016年からメルセデスからエンジン供給を受けることを目指しているようだと報じている。そして、レッドブルのジュニアチームであり、現在はやはりルノーからエンジンの供給を受けているトロロッソは、ホンダエンジンの搭載を視野にいれているようだという。
F1関係者の中には、2010年から2013年まで4年連続でF1タイトルを獲得したかつての王者レッドブルが、直接のライバルであるメルセデスからエンジンの供給を受けることは考えづらいと指摘する者も少なくない。
だが、メルセデスのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフは、「“決してない“とい表現を用いることができないのは、この世界でも同じだよ」と語り、その可能性を否定していない。
「レッドブルとルノーの間には契約があるし、我々もそれを尊重する。だが、同様に、我々がやっているのはF1だということも分かっているんだ」とヴォルフは付け加えた。