レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーが、もしもF1エンジン開発「凍結」ルールが変わらなければ、ルノーは恐らくF1から撤退してしまうだろうと語った。
レッドブルにワークスエンジンの供給を行っているルノーだが、現在自分たちが置かれた状況には満足していないと伝えられている。レッドブルが勝てば、優秀なシャシーのおかげだということになり、負ければ自分たちルノーエンジンのせいだとされてしまうためだ。
2010年から2013年までF1タイトルを4年連続で獲得してきたレッドブル・ルノーだが、その間もルノーとしてはその実績に見合うだけのマーケティング効果が出ていなかったと考えているとも言われている。
そして、そうした状況に業を煮やしたルノーは、いま一度自らのワークスチームを擁してF1にチャレンジすることを検討していると認めており、うわさではかつて2009年シーズン後に投資会社ジェニイに売却したチーム(現ロータス)を買い戻すことを検討していると言われている。
だが、ルノーでは少なくとも2016年シーズンまでは、レッドブルとそのジュニアチームであるトロロッソにエンジンを供給する契約を結んでいる。
カナダGPが開催された先週末のモントリオールにおいて、ルノーとの契約が満了した2017年以降のことについて質問を受けたホーナーは、エンジン開発を厳密に制限する現在のルールが変わらなければ、それによってルノーがF1から撤退してしまうことになるだろうとほのめかした。
今季は、エンジンメーカーたちは複雑な「トークン」制度によるパフォーマンス開発が認められている。だが、2016年以降については開発できる範囲が徐々に削減されてしまう。今年はルールの抜け穴によってシーズン中にも一定の認められることになったが、2016年以降は一切それが認められなくなる。
現在圧倒的に優位な立場にあるメルセデスを含め、ライバルメーカーたちがこのルール変更に賛同するだろうかと質問されたホーナーは、次のように答えた。
「もちろん、彼らは賛成しないだろう。だが、ルノーが今後もF1を続けるかどうかはそれにかかってくることになる」
『BBC』にそう語ったホーナーは、2016年シーズンに向けたエンジン開発の許容期限に言及しながら、次のように付け加えた。
「もしF1がエンジンメーカーを1社失っても大丈夫だというのであれば、2月28日を厳格に守ればいいさ」