マクラーレンが、エンジンパートナーであるホンダに対し、「これ以上恥ずかしい思い」をする前に現在の危機から脱却できるよう手助けをすると申し出たと伝えられている。
【結果】F1カナダGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
今季新たなスタートを切ったマクラーレン・ホンダのプロジェクトだが、ここまでは非常に厳しい状況に置かれている。そして、先週末のF1カナダGPでは、ホンダエンジンのパワー不足、燃費の悪さ、信頼性の低さがさらに強調される結果となってしまった。
■いら立ちを隠せないアロンソ
カナダGP決勝を走行中にいら立ちを隠しきれない無線でのやりとりを行っていたフェルナンド・アロンソだが、ソーシャルメディアに上下を逆さまにしたタイミングスクリーンの画像を投稿し、チームメートのジェンソン・バトンに対し「こうしたほうがいいかな? 見方にもよるけれどね」とのコメントを添えている。
その逆さまとなったタイミングスクリーンの一番上にいるのがアロンソで、2番手にはバトンがつけた形となっている。
バトンはこれに対し、「君が一番上にいるのはあまりうれしくないよ!」とジョークで返しつつ、「でも、いつかこうなると思うよ」と付け加えている。
■マクラーレンも公然とホンダに苦言
シーズンが進むにつれ、さすがのマクラーレンとホンダも、ここまで苦戦を強いられることに対して弁明することももはや難しい状態になってきている。
そしてついに、マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエが、マクラーレンとしてはホンダのパワーユニットが最大の問題であると考えていることを示唆した。
「まだ恥ずべきような段階だとは思っていない。彼ら(ホンダ)はまだこのプログラムを始めたばかりなんだからね」
フランスの『AFP通信』にそう語ったブーリエは、次のように続けた。
「だが、問題は、彼らがどれほど早くばん回できるかということだ」
「非難しないようにするのは難しい。だが、ルノーとレッドブルのようにメディアを通じて非難し合うようなことにはしたくないんだ。そんなことをしても意味がないからね」
■ホンダには自分たちの支援が必要だとブーリエ
ブーリエは、そのためにもホンダが改善のスピードを速められるよう手助けをするつもりだと次のように続けた。
「パートナーを責めるだけなら簡単だ。だが、パートナーとして、我々は支援をしていかなくてはならない。我々はばん回のための時間を縮められるよう彼らを助けることが必要なんだ」
「正直な話、彼らがF1に復帰することを決めたのは1、2年前の話だし、それで(すぐに)勝つなんてたやすいことではない。ただ、我々にはそうできる能力があることを確認する必要がある」
「追いつこうと思うのであれば、基本的にはそのプログラムにもっと人材をつぎ込むしかない。そして、それを短期間で行おうとすれば、もっと経験豊かな人材を投入する必要がある」
ブーリエは、マクラーレンとしてはそういう形でホンダの支援をしたいと考えていると次のように付け加えた。
「我々のところにはソフトウエアやIT環境などがある。そして、どのようなものであれ、我々には経験がある。重要なのは、ホンダがばん回してくれることだ」