2023年のF1第22戦ラスベガスGP(現地18日決勝)を間近に控えた14日(火)に、アメリカの巨大自動車メーカーであるGM(ゼネラルモーターズ)がF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)から2028年のF1エンジンサプライヤーとして正式に承認されたことが明らかとなった。
これは、アメリカのレース界の大物であるマイケル・アンドレッティが率いるアンドレッティ・キャデラックの2025年からのF1参戦実現を大きく後押しするものになりそうだ。
■難航するアンドレッティ・キャデラックのF1新規参戦
GM傘下にあるキャデラックと手を組んだアンドレッティのF1プロジェクトは、2025年参戦に向けてすでに“FIA”の正式承認を得ている。
だが、ほとんどの既存F1チームたちがそれに反対している中、F1オーナーであるリバティ・メディアも11チーム目となるアンドレッティ・キャデラックの参戦に関しては商業的条件面で合意することに難色を示したと伝えられている。
『AP通信』は最近、F1がGMに対し、アンドレッティとのプロジェクトを断念し、代わりに別のチームと提携しないかと打診したことさえあると報じていた。
しかし、GMのマーク・ロイス社長は先週、「GMはアンドレッティと組んでF1に参戦することを確約している」と語り、あくまでもアンドレッティ・キャデラックとしてF1参戦を目指すと主張していた。
■アンドレッティ・キャデラックのF1参戦をGMが強力に後押し
そして今、世界最大規模の自動車会社のひとつであるGMが2028年のF1エンジンサプライヤーとしてFIAの正式承認を受けたことを考えると、GMが後押しするアンドレッティ・キャデラックの新規参戦にF1が抵抗し続けるのはかなり難しくなりそうだ。
GMのマーク・ロイス社長は、14日に出した声明の中で次のように語っている。
「新たにF1参戦するアンドレッティ・キャデラックがGM製パワーユニットを搭載することになり、我々はワクワクしている」
「我々のエンジニアリングとレースに関する深い専門知識をもってすれば、このシリーズで成功するパワーユニットを開発し、アンドレッティ・キャデラックを真のワークスチームとして位置づけることができると確信している」
「我々は、世界中のレースファンのために、このスポーツがさらに盛り上がるよう、情熱と誠実さを持ち、最高のレベルで精一杯取り組んでいくつもりだ」
伝えられるところによれば、今週末に1982年以来41年ぶりにラスベガスで行われるF1レースには、GMの幹部たちも姿を見せることになっているという。
実際のところ、もしアンドレッティ・キャデラックのF1参戦が認められた場合、当然2028年からはGMが製造するF1エンジンを搭載することになるわけだが、それまでの間は、アンドレッティはルノーもしくはホンダからカスタマーエンジンを購入し、そのエンジンにキャデラックのバッジを付けて戦うことになると考えられている。