今週末には2023年F1第22戦ラスベガスGP(現地18日決勝)が開催される。実際のところ、ラスベガスでF1が開催されるのは今回が初めてではなく、バーニー・エクレストンがF1最高責任者を務めていた1981年と1982年にラスベガスでF1アメリカGPが開催されたことがある。
だが、シーザーズ・パレスの駐車場で行われたF1レースは興行的にも失敗に終わり、わずか2年でラスベガスでのF1には終止符が打たれている。
■ラスベガスGPが成功するかどうかはわからないと元F1最高責任者
10月28日に93歳になったばかりのエクレストンは、自分を追放したF1オーナーのリバティ・メディアによる新たなラスベガスGPには好意的ではなく、それは「F1とは何の関係もない」と主張している。
エクレストンはさらに『Reuters(ロイター通信)』にも今週次のように語った。
「私も成功するよう願っているよ。だが、長期的にそうなるかどうかはわからないね」
実際のところ、リバティ・メディアの思惑とは裏腹に、この新しいイベントは地元の混乱を招き、チケットも一般市民には手の届かない価格であることから、すでに大きな物議を醸している。
■全てを見てから判断しようとヘルムート・マルコ
こうした中、母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙から、ラスベガスのようなきらびやかなアメリカの大都市のど真ん中でレースをすることがF1のような真剣なスポーツに相応しいことなのかと質問されたレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は次のように答えている。
「その質問を私にするのは間違っているよ」
「だが、我々はこの魅惑的なイベントにチャンスを与えるべきだよ。まずは全てを見ることにするし、そのあとで私の意見を言うよ」
「私は驚きに身を任せるつもりだよ。ロジスティクスもそうだし、パドックに歩いて向かうことなど、全てが新しいんだ」
「そして、気温の低さがどう影響するのかは誰にもわからない」
■気温コンディションへの対応が今週末の課題に
最新の天気予報によると、今週末に予選と決勝が開催される現地17日(金)と18日(土)の夜の気温は約10度で、当初の予想よりは高くはなるようだ。
「それでもまだ寒いよ」
そう語った80歳のマルコは、次のように付け加えた。
「今年のどのグランプリでもこんなに寒かったことはない。セットアップなどにとってはまったく初めてのコンディションだ」
また、マルコによればコースレイアウトは「バクーと似ている」という。
F1アゼルバイジャンGPの舞台であるバクー市街地サーキットに言及したマルコは、次のように語っている。
「長いストレートで実際にどういう展開になるのか、興味津々だね。それに、サポートレースがないから路面が大きく改善することも期待できるだろう」
「眠らない街」との呼び名もある世界最大級の娯楽都市で開催されるF1ラスベガスGPは、現地時間17日(金)の24時(日本時間18日17時)から予選が、現地時間18日(金)の22時(日本時間19日15時)から決勝が行われる。