今週末には2023年F1第22戦ラスベガスGPが開催されるが、ドライバーたちにとってはかなり難しいレースになることが予想されている。
●【2023F1第22戦ラスベガスGP】開催スケジュール・全セッションの結果
■不安要素も多いラスベガス・ストリップ・サーキット
世界有数の娯楽とギャンブルの街として知られるラスベガスでは1981年と1982年にF1アメリカGPが開催されたことがあるが、41年ぶりのF1開催に向けて新たに設けられたラスベガス・ストリップ・サーキットはどのドライバーにとっても初めて経験するコースとなる。
市街地サーキットだけに、セッションが進むにつれて多少は改善されると予想されるものの、路面のグリップはあまり期待することはできないだろう。
さらに、予選が開催される現地17日(金)と決勝が開催される同18日(土)には雨が降る可能性もあると予想されていることに加え、ナイトレースとして現地時間22時から開催される決勝では気温がかなり下がることも懸念されているようだ。そうなれば、タイヤの温度管理も非常に難しくなるのは間違いない。
■ドライバーたちは文句を言うだろうとピレリ
F1公式タイヤサプライヤーであるピレリで自動車レース責任者を務めるマリオ・イゾラは、今週末を通じてドライバーたちから多くの不満が出るだろうと予想している。
「我々はラスベガスのために特別なタイヤを作ることはできない。それが現実なんだ」
デンマークの『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』にそう語ったイゾラは、次のように続けた。
「グリップはほとんどないだろうと私は想像しているよ」
「彼らは文句を言うだろう! だが、それはかまわないよ。我々もそれには対応できるからね」
ちなみに、ラスベガスGPに持ち込まれるピレリのドライタイヤは、ハードがC3、ミディアムがC4、ソフトがC5と、最も軟らかいコンパウンドの組み合わせとなっている。
■フェルスタッペン以外のドライバーが勝つ可能性も
こうした中、テレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』の評論家であるダビデ・バルセッキは、今週末のラスベガスではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)以外のドライバーが勝利する可能性もかなりあると考えているようだ。
「誰かほかのドライバーが勝ついいチャンスかもしれないよ」
イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』にそう語ったバルセッキは、最近好調のランド・ノリス(マクラーレン)に言及しながら次のように付け加えている。
「私は、ランドの初勝利はここかアブダビになるだろうと感じているよ」