アルファタウリは11日(火)に、来週末に行われる2023年F1第12戦ハンガリーGP(23日決勝)から、オランダ人ドライバーであるニック・デ・フリースに代えて今季レッドブルのリザーブドライバーを務めているオーストラリア出身のダニエル・リカルドを起用することを発表した。
■解雇の噂がささやかれ続けていたデ・フリース
レッドブル・レーシングとその姉妹チームであるアルファタウリのドライバープログラム責任者を務めるヘルムート・マルコは、2023年シーズンを迎えるにあたり、アルピーヌへ移籍するピエール・ガスリーの後任として28歳のデ・フリースを起用することを決定。これは、昨年のF1イタリアGPでアレクサンダー・アルボンの代役としてウィリアムズでF1デビューを飾ったデ・フリースが好パフォーマンスを見せたことが評価されてのものだった。
実際のところ、2019年F2チャンピオンであり、フォーミュラEでも2020-21年シーズンにチャンピオンとなった実績を持つデ・フリースだけに、アルファタウリとしてもまだ若い角田裕毅をリードする役割も期待していた。
だが、そうした期待に応えるだけのパフォーマンスを示すことができず、苦しいレースが続いていたデ・フリースに関しては、遅かれ早かれそのシートを失うことになるだろうとの噂がささやかれ続けていた。
■ディ・グラッシとコロネルがデ・フリース解雇を批判
かつて2010年にヴァージンでF1を戦った経験を持ち、現在はフォーミュラEで活躍しているブラジル出身ドライバーのルーカス・ディ・グラッシは、今回のデ・フリース解雇に関して次のようにコメントしている。
「10レースを終えた時点でドライバーを解雇するのは、採用決定のプロセスが間違っていることを示すものだよ」
また、デ・フリースと同じオランダ出身ドライバーであり、1999年にフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)で年間チャンピオンとなったことで日本でも知名度の高いトム・コロネルも今回の件には納得できていないようだ。
「レースは残酷なものだし、決断もそうだ」
「私の考えでは、まだシーズンの半分も終わっていないのにドライバーに関する決断を下すのはあまりにも早すぎるよ」
現在もヨーロッパのツーリングカー・シリーズで活躍する51歳のコロネルはそう語ると、次のように付け加えた。
「F1以上のものだってたくさんある。だが、自分の進歩を示すにはフルシーズンが与えられるのが当然だよ」