レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、現在マクラーレンに所属しているイギリス人ドライバーのランド・ノリスの獲得を視野に入れていることを認めた。
先週末にシルバーストン・サーキットで行われたF1第11戦イギリスGPでは、23歳のノリスが予選・決勝ともに2位となる素晴らしいパフォーマンスを発揮して見せたが、そのシルバーストンでマルコがノリスのマネジャーを務めるマーク・ベリーマンと会話しているところが目撃されていた。
■ノリスは「レッドブルにぴったり」のドライバーだとマルコ
そのマルコはこのほど、母国オーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙に対し、ノリスに関して次のように語った。
「彼は2025年までマクラーレンと契約を結んでいる。だが、彼は若手ドライバーの中では圧倒的に強いよ」
「彼の若々しい気質もレッドブルにぴったりだろうね」
マルコはさらに、ノリスとは過去に「集中的な話し合い」を行ったこともあったのだと明かし、次のように付け加えている。
「そして、彼とマックス(フェルスタッペン)が仲のいい友人であることは周知の事実だ」
■レッドブルのドライバープログラムにも変化が?
マルコが指摘したように、ノリスはマクラーレンと2025年までの契約を結んでいる。一方、レッドブルは現F1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンと2028年までの契約を結んでおり、現在そのチームメートを務めているセルジオ・ペレスとの契約は2024年までとなっている。
11日(火)には、昨年までマクラーレンに所属し、今季はレッドブルとリザーブドライバー契約を結んでいるダニエル・リカルドが来週末のF1ハンガリーGP(23日決勝)以降、ニック・デ・フリースに替わってアルファタウリのドライバーを務めることが発表されている。もちろん、その結果次第ではリカルドが将来的にレッドブルに復帰する可能性もありそうだ。
しかし、レッドブルが、すでに34歳となったリカルドや33歳のペレスに将来を託すわけにはいかないと考えているのは間違いないだろう。レッドブルの育成ドライバーたちの中から将来に期待ができるだけの人材が出現するのがベストなことだろうが、近年はそのドライバープログラムがうまく機能しているとは言えない部分もある。
そうした観点からすれば、レッドブルが現在ライバルチームに所属し、実績を残している優秀な若手ドライバーの引き抜きを視野に入れているのは当然と言えば当然のことなのかもしれない。