全22戦で争われている2022年のF1シーズンも残すところあと6戦となっている。
現時点では2021年のF1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がランキング2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)に116ポイントもの大差をつけており、数字的にはまだ可能性が残されているとは言え、ルクレールが今年のタイトルを獲得できる見込みは事実上ゼロだと言っていいだろう。
■展開によってはシンガポールでのチャンピオン決定も
実際のところ、現時点での興味は、どのグランプリでフェルスタッペンの2年連続でのF1ドライバーズタイトル獲得が決まるのかということに移ってしまっている。
来週末にマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで開催されるF1第17戦シンガポールGP(10月2日決勝)でフェルスタッペンが6連勝を飾り、ランキング2番手のルクレールやランキング3番手のセルジオ・ペレス(レッドブル)が生き残りに必要なポイントを獲得できなければ、そこで今年のドライバーズタイトル争いに決着がつく可能性もある。
シンガポールでの戴冠の可能性について質問されたフェルスタッペンは、ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語っている。
「シンガポールでタイトルを獲得するには、かなりの運が必要だろうね」
「僕はただレースで勝つためにあそこに行きたいと思っているだけさ。だけど、僕たちは素晴らしいシーズンを送っているよ。僕たちはそのことに感謝するべきだし、この瞬間をちょっとだけ楽しむようにしたいね」
■今シーズン終盤にリズムを取り戻したいとサインツ
一方、フェラーリでルクレールのチームメートを務めるカルロス・サインツは、もはやフェラーリは2023年にレッドブルを倒すために再び挑戦することに集中していくしかないと考えている。
「今は、安定した形で今シーズンを終えたいと思っているよ。とりわけ、今年はいろいろなことが僕たちに起こったからね」
母国スペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』紙にそう語った28歳のサインツは次のように付け加えた。
「あまりいろんなことが起こらない落ち着いたシーズン終盤にしたいし、新たなチャンスとなる来年に向けてリズムを取り戻すことができるようにしたいと思っているよ」
■2023年にはレッドブルと同じような戦い方が必要
現時点ではランキング5番手に位置しているサインツだが、次のステップに向けた「強固な基盤」を築くことができたことをフェラーリは誇りに思うことができると主張している。
「僕たちは、信頼性や一貫性など、いくつかの点を改善しなければならない」
「今年はレッドブルのような完璧に物事をこなすチームと戦ってきたことを僕たちは心に留めておかなければならない。そこから学び、僕たちも来年はそういうことをするチームにならなければならないんだ」
■フェラーリであるがゆえに批判も大きい
今季は速いマシンを手にしながらも、その信頼性問題やドライバーのミス、さらにチームの戦略ミスやピット作業ミスなどが多発したことでフェラーリに対する批判もかなり大きくなっている。
サインツも、フェラーリであるがゆえに批判を受けることが多いのは確かだと次のように続けている。
「それは僕も警告されていたことなんだ」
「みんなからイタリアのマスコミは本当に厳しいから覚悟しておけと言われていたよ。だけど、実際に来るまでは理解できないものさ」
「チームに対する不釣り合いな批判記事を読んだこともあるけれど、それは、モータースポーツ界の象徴である非常に大きな組織の一員であることの利点でもあるんだ」
2021年にマクラーレンから移籍し、今年フェラーリで2年目のシーズンを送っているサインツはそう語ると、次のように付け加えた。
「僕はそれを問題だとは思っていないよ」