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【アルピーヌF1】オスカー・ピアストリ事件を機に若手育成プログラムが岐路に?

2022年09月20日(火)19:46 pm

ルノーのワークスF1チームであるアルピーヌの若手ドライバー育成プログラムが存続の危機に瀕しているようだ。

■大きな波紋を投げかけたピアストリ事件

そのきっかけとなったのは、2020年1月にルノーのドライバー育成プログラムと契約を結び、その年のF3選手権、そして2021年のF2でチャンピオンとなったオーストラリア人ドライバーのオスカー・ピアストリの一件だ。

ルノー、そして2021年からはアルピーヌと名前を変えたチームが資金やテスト参加の機会を提供しながらピアストリをサポートしていた。そして、アルピーヌが来季アストンマーティンに移籍することが決まったフェルナンド・アロンソの後任として2023年にピアストリを起用すると発表したものの、ピアストリがSNSを通じてこれを否定するという前代未聞の事件が起きてしまった。このとき、すでにピアストリはマクラーレンと2023年の契約を結んでいたのだ。

結局、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)の契約承認委員会が、マクラーレンとピアストリの契約は有効だと認めたことから、アルピーヌとピアストリの関係は今年いっぱいで終わり、ピアストリは2023年にマクラーレンからF1デビューを飾ることが確定している。

■若手育成プログラムの継続を疑問視するアルピーヌCEO

このほど、アルピーヌのCEOを務めるローラン・ロッシはオランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』に次のように語った。

「ここアルピーヌで起こった小さな汚点の域を超えて、これはスポーツにとってよいことだとは私は思わない」

「ほかの誰よりも先に火傷を負ったのが我々なんだ」

ロッシは、ピアストリとの間に水も漏らさぬような契約を結んでおかなかったという自分たちのミスはあったものの、今回の事件はドライバー育成プログラムの実行可能性に疑問を投げかける前例となったと示唆している。

「彼らにとって魅力的ではないかもしれない契約を彼らと結ばなければならないとしたら、これからもドライバーの育成を続けたいと思うかどうかはわからない。だから、それを解決するにはどうすればいいだろう?」

「毎年、ドライバーに投資せずに金を節約し、その節約した金でドライバーを釣ればいいだけだと決断することもできる。我々は、現在のドライバー育成制度をさらに推進していくべきなのかどうか、本当に悩んでいるよ」

「新しいドライバーたちと契約するかどうかを悩んでいるんだ。そうすべき理由が見えないからね」

■オコンの2023年のチームメートは誰に?

アルピーヌでは現在2023年にエステバン・オコンのチームメートとなるドライバーの確保に動いており、第一候補は現在アルファタウリで走っているレッドブル所属ドライバーのピエール・ガスリーだと考えられている。

もしガスリーの獲得がうまく行けば、フランス国籍のF1チームで2人のフランス人ドライバーが戦うことになり、とりわけ地元フランスでのマーケティング効果などに大きな期待ができるだろう。

だが、もしガスリーの獲得が難しい場合には、今季のF1第16戦イタリアGPでアレクサンダー・アルボンの代役としてウィリアムズでF1デビューを果たし、印象的な走りを見せたオランダ人ドライバーのニック・デ・フリースや、現在アルピーヌのアカデミードライバーに所属している19歳のオーストラリア人ドライバー、ジャック・ドゥーハンを起用する可能性もあるとうわさされている。

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