全22戦で戦われる2022年のF1だが、すでにここまでに13戦を終えており、残りはあと9戦となっている。
今季のドライバーズタイトル争いは、現時点では2021年のF1チャンピオンであるレッドブルのマックス・フェルスタッペンがランキング2番手につけているフェラーリのシャルル・ルクレールに80ポイントもの差をつけており、圧倒的に有利な立場でシーズン後半戦に臨むことができる状態となっている。
■今年の最強F1マシンはフェラーリだが・・・
昨年までとは大きく異なる新たな技術レギュレーションが導入された2022年だが、最も速いF1マシンを造り上げることができたのはフェラーリだというのが大方の見方だ。
ここまでに行われた13戦でのポールポジション獲得回数を見れば、レッドブルの4回(フェルスタッペン3回、セルジオ・ペレス1回)に対し、フェラーリが8回(ルクレール7回、カルロス・サインツ1回)も獲得していることからも、その見方は間違っていないと言うことができるだろう。(残る1回はメルセデスのジョージ・ラッセル)
それにもかかわらず、上に書いたような大きな差がついてしまったのは、フェラーリにF1マシンの信頼性、ドライバーのミス、戦略ミスといった問題が何度も発生してしまったためだ。
■問題さえ起こらなければまだチャンスはあるとルクレール
しかし、逆の見方をすれば、シーズン後半の残り9レースにおいて、フェラーリにまったく問題が発生しなければ、今季のタイトル争いの行方はまだわからないと言うこともできるかもしれない。
実際のところ、モナコ出身ドライバーである24歳のルクレールも今季のドライバーズタイトル獲得を諦めるつもりはまったくないようだ。
「タイトルを勝ち取ることができるだけの速さはあるんだ。僕たちには全てをうまくまとめる必要があるだけさ」
「今年は信頼性の問題を抱えてしまい、それで多くのポイントを失ってしまった。僕たちはそこから成長できるように努力していくつもりだ」
そう語ったルクレールは次のように付け加えた。
「今年の残りのレースではこういうことが起こらないことを願っているし、まだ可能性はある。僕はこれからも前向きであり続けるよ」
■ルクレールに求められるのは残りのレース全てで勝利すること
こうした中、イギリス人F1ジャーナリストであるローレンス・バレットは、F1公式サイト(formula1.com)に寄せた記事の中で次のようにコメントしている。
「フェラーリF1-75(2022年型F1マシン)は、ルクレールが言うように速い。そこが最も難しい点でもある。とにかく、彼らはコックピットの中でもピットウォールでもミスをなくし、この先、少しばかり幸運が訪れることを期待するしかないだろう」
「彼(ルクレール)のこれからの目標は単純だ。残されたレース全てで勝利すること。そして、フェルスタッペンを追い抜くためにはそれで十分であることを願うだけだ」
■フェルスタッペンは残りレースを全て2位でもOK
仮に、ルクレールが夏休み後の9レース全てでファステストラップを刻んで勝利し、メキシコで行われるスプリントでも勝利すれば、それによって242ポイントを獲得することができる。そうすれば、トータル獲得ポイントを420ポイントにまで伸ばすことができる。
しかし、もしもフェルスタッペンが全てのレースとスプリントを2位で終えれば、それで169ポイントを獲得することができる。その場合、フェルスタッペンの獲得ポイントトータルは427ポイントとなる。
つまり、ルクレールが全てのレースで勝利してファステストポイントも加えたとしても、それだけでF1チャンピオンの座を確定することはできず、あとはフェルスタッペンの結果次第ということになるわけだ。
ともあれ、現時点ではフェルスタッペンが非常に有利な立場にあることは確かだが、何が起こるのか予想ができないのがF1であり、28日(日)に決勝が予定されている第14戦ベルギーGPでスタートすることになる2022年F1シーズン後半がどういうふうに展開していくのかを楽しみにしたいところだ。