アストンマーティンF1チームは、今シーズン前半で2021年型マシンの開発を止め、夏休み明けには2022年型F1マシンの開発に完全に焦点を移すことになるようだ。
昨年までレーシングポイントと呼ばれていたシルバーストンに本拠を構えるチームは、今季イギリスの名門自動車会社であるアストンマーティンのF1ワークスチームとして新たなスタートを切ったものの、シーズン前半は予想以上の苦戦を強いられてしまった。
2020年にはマイナス15ポイントというペナルティを与えられながらも最終的にはコンストラクターズランキング4位で終えたチームが、今年は現時点でランキング7番手に位置しており、今後大きくばん回できるチャンスもそれほど大きくはないと考えられている。
今季アストンマーティンが不振に陥ったのは、今年に向けて空力レギュレーションが修正されたことが大きな原因のひとつとなっていると考えられているが、チームではそのためにこれまでに2021年型マシンにかなりの修正を施してきていたようだ。
アストンマーティンのパフォーマンスエンジニアリングディレクターを務めるトム・マッカローは次のように語った。
「これまでも、そしてこれからも、反復的な開発のプロセスには多かれ少なかれ終わりはないんだ。そして、その結果として、バーレーン(開幕戦)とシルバーストーン(第10戦)の間で、外から見える部分で何も改良が施されていない部分はほとんどないよ」
「あるいは、別の言い方をすれば、もしも我々のクルマの一部が風にうまく対応できていないとしたら、この4か月の間にどこかでアップデートしていただろう」
「我々のクルマがまだ最速でないことは分かっている。しかし、シーズン当初に比べれば主要なライバルたちのクルマに近いパフォーマンスを示すことができるようになっている。これは、慎重に管理された空力改善プログラムの結果であり、試行錯誤を余儀なくされたものの、いい結果を出すことができているよ」
そう語ったマッカローだが、チームは夏休み以降は完全に2022年に導入される新レギュレーションに対応した新車の開発に全面的に移行していくことを明らかにしている。
「非常にいい作品に仕上がってきているし、私はそれをやってきた仲間たちに敬意を表するよ」
2021年型マシン開発に言及しながらそう語ったマッカローは次のように付け加えている。
「しかし、ほとんどのチームがそうやっているように、夏のシャットダウン後は、その努力とリソースを2022年型マシンを可能な限り競争力のあるものにするための作業に移していくことになるよ」