マクラーレン・ホンダは3年で終わるかもしれない。
マクラーレンは、ホンダが現在抱えている問題を解決できないと判断した場合に備え、メルセデスに対してパワーユニット供給について問い合わせたと『BBC』が報じた。
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マクラーレンとメルセデスは、この件についてコメントしなかったという。
■F1開幕前テストでは散々な結果
3年目を迎えたマクラーレン・ホンダだが、F1開幕前テストでは毎日のようにトラブルが多発し、満足に走行できないまま、タイムも10チーム中9番目がやっとという散々な結果となっていた。
マクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエは先週、「ホンダとの契約は全うする」「契約を終わらせる計画は全くない」と言いつつも「ホンダでなければ勝てたレースもあった」など、マクラーレンは優れたシャシーを作っており、ホンダのせいで苦戦している、という事を繰り返しメディアに語っている。
■マクラーレン・メルセデスの可能性は?
マクラーレンがホンダの代わりに別のエンジン・サプライヤーにスイッチするとなると、2013年に締結された複数年契約を終わらせる必要がある。契約は10年と言われている。
マクラーレンとメルセデスの接触については、非公式情報ながらも簡潔で、どちらの側も決断は下していないという。
しかし、メルセデスの役員でモータースポーツ代表トト・ヴォルフは、元パートナーへ供給する可能性についてオープンな考えを示している。
■マクラーレンの問題はスポンサーマネー
もう一つの選択肢であるメルセデスまたはルノーとの提携は、非常に大きな潜在的な結果をもたらす可能性を秘めており、マクラーレンにとって重大な決断となるだろう。
マクラーレンにとって、ホンダとのエンジン契約は、顧客としてエンジンを契約する場合に比べ、年間1億ドル(約113億円)相当の価値がある。ホンダは無料のエンジン供給に加え、ドライバーの給料の半分を負担しており、マクラーレンにとって重要なスポンサーでもある。
メルセデスのカスタマーになると、年間1,700万ドル(約17億円)を支払うことになる。ホンダとの契約を終了する場合、ロン・デニスを追い出した株主たちがその不足金額分を補うことになるだろう。
■ミカ・ハッキネンは先行投資か?
ミカ・ハッキネンと結んだ複数年のパートナー・アンバサダー契約も、マクラーレンが早期にスポンサーを見つけるために必要な先行投資だと言える。チームのパフォーマンスが低くても、過去の伝説的なF1チャンピオンをチームに加えることで、マクラーレンの注目度と価値は高まり、スポンサーにとっても魅力的になる、という戦略だと思われる。
もし早い段階でマクラーレンがメインスポンサーを獲得した場合、マクラーレンはお金に困ることもなくなる。そうなると、マクラーレン・ホンダ続行の決断には、パフォーマンス次第ということになるはずだ。契約には、パフォーマンスが低い場合は契約解除ができる条項があるという噂も出ている。
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