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「F1全体のレベルアップが必要だ」とロス・ブラウン

2017年03月17日(金)8:01 am

F1のモータースポーツ責任者に就任したロス・ブラウンが、今後に向けたF1改善案のひとつにコスト制限の導入もありえるとの見解を示した。

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■プライベートチームでは太刀打ちできない現在のF1

現在のF1は大規模な予算を持つ自動車会社のワークスチームによって支配されているのが現状だ。レッドブルを除けば、自動車会社の後ろ盾を持たないプライベートチームがF1で戦うのは非常に厳しい状況にある。

開発に大金をつぎ込むことができる大規模チームに太刀打ちできるF1マシンを開発することは、小規模予算のプライベートチームには不可能だと言ってもいいからだ。

■慌てずに改善を進めることが重要

「その通りだ」とフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に語ったブラウンだが、その仕組みを変えていくには時間も必要だと次のように続けた。

「求められていることは複雑だ。だから、あまり慌てないことが重要なんだ」

現在のF1運営体制の構造をすぐに変革できない理由のひとつは、かつて前F1最高責任者のバーニー・エクレストンが中心となってF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)と各F1チームの間で結ばれた契約が2020年まで効力を持っているからだ。

■予算規模による格差をなくすべきだ

だがブラウンは、今後に向けたF1の課題について次のように続けた。

「まず、我々は適正な基盤を構築する必要がある。そしてそれを基盤として成長させていくことになる。よい基盤とは、私に言わせれば、トップチームと最下位のチームとの差がこれまでよりも小さくなるものだ」

「本当の課題は、今後これまでとは異なる方向へと向かうためには何に焦点を合わせるべきなのかということだ。資源依存という部分が、我々がもっと研究すべきもののひとつだよ」

「我々は予算制限という方向に向かうべきなのかもしれないし、あるいは一連の技術制限に向かうべきなのかもしれない。恐らくはその両方を組み合わせることが必要なのかもしれないね」

「だが、我々はクルマのパフォーマンスにおける金の重要度をもっと引き下げる必要がある。それが今のF1の方向性だからだ」

■全体レベルの向上が必要

かつてフェラーリの最高技術責任者を務め、2010年から2013年まではメルセデスAMGのチーム代表を務めていたブラウンは、次のように付け加えた。

「我々が望んでいるのは人工的なものに依存することなく、全体のレベルを上げようとすることだ」

ブラウンは、DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)と呼ばれる追い抜き支援システムや、現在のハイブリッド方式エンジンに関してはF1にはふさわしくないものだとの認識を持っていると伝えられている。

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