ピレリは、FIA(国際自動車連盟)が取った最低空気圧逃れを防止する策が効果を示せば、現在高めに設定している空気圧を下げられると話している。
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空気圧が高いとグリップが下がるため、ピレリの設定した空気圧より低い値で走行しようとトリックを使っているチームがあった。
事前にタイヤ周辺を高温にしておくことで一時的にタイヤを温めて空気圧を高くし、その状態で空気圧の測定を受けておいて、走行中は温度が下がることで空気圧も下げるというのがその仕組みだ。メルセデスAMGやレッドブルがこうした方法をとっていたと見られる。
これを防止するため、FIAは、F1オーストリアGP(3日決勝)から、タイヤをマシンに装着する前に空気圧を測定することにした。
■対策が効果を示せば最低空気圧を下げられる
この対策は、ほかのチームも歓迎している。
「新しい手順をとった結果、スタート時の空気圧が下がるのなら、われわれも大満足だ」とザウバーのチームマネージャーであるビート・ツィンダーは話す。
ピレリのマリオ・イソラは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように話した。
「新しいシステムによって走行中の空気圧が高めになることが分かれば、最初の空気圧を再び下げることができる」
■空気圧を自分で決められないなんて…
一方、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)は、そもそもピレリが空気圧を指定していることに不満げだ。『Marca(マルカ)』紙が次のようなアロンソの言葉を伝えている。
「自分の意見はあるけれど、それはしまっておく」
「全員が同じ条件だからね。でも、自分のクルマをどういうふうに走らせるかを自分で決められないカテゴリーなんてほかにないよ」