2014年からメルセデスエンジンで走ることになったフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)が、メルセデスには「感銘」を受けたと語った。
マッサにとって、フェラーリ製以外のエンジンを使うのは、自身のF1キャリアにおいて初めてのこととなる。
メルセデスのワークスチームであるメルセデスAMGはもちろん、メルセデスからエンジンの供給を受けるマクラーレン、フォース・インディア、そしてマッサが加入したウィリアムズは、メルセデス製パワーユニットのおかげで優位に立っていると言われる。F1エンジンは今年から、V6ターボに変更されている。マッサも、イタリアの『La Repubblica(レプブリカ)』に対し、次のように語った。
「僕は(メルセデスの)ファクトリーを訪問したんだけれど、感銘を受けたよ」
メルセデスのエンジンが2014年にこれほどの強さを持って登場したのは、同社がフェラーリの4倍ほどの資金を開発に投じたためだとうわさされている。マッサは、これに関して次のように続けた。
「4倍かどうかは知らないけれど、彼らの仕事ぶりには間違いなく感心させられた」
しかし、2014年には意識的にメルセデスエンジンを使うチームへの加入を図ったのかと尋ねられたマッサは次のように答えた。
「違うよ。でも今回のレギュレーション変更はエンジンに関することがメインだし、彼ら(メルセデス)は自分たちのやっていることを理解している」
「そして、僕がウィリアムズに着いたそのときから、自分がすごく求められていたんだと感じている。これはすごくいい気持ちだよ」
このマッサのコメントからは、昨年まで在籍していたフェラーリでは、もはや自分が愛されているというふうには感じられなくなっていたのだということがうかがえる。
「僕はフェラーリのことを悪く言うつもりはないんだ」
「僕は何年もあそこにいたし、何度か素晴らしいときも経験したしね。もちろん、すごく悪いときも何度かあったよ」
マッサは、2010年にホッケンハイムで行われたF1ドイツGPにおいて、チームから「フェルナンド(アロンソ)のほうが君より速い」と言われたことが最悪の経験だったということを隠そうとはしなかった。
「彼らは、僕が勝つにふさわしいレースなのに、僕に勝たせようとはしなかった」
「そのチームオーダーによって傷つけられたばかりでなく、大きな事故からの復活も目指していたわけだからね。僕にとってすごく重要なことだったんだ」
フェラーリに対してしばしば「忠誠心を示し過ぎた」と思うか、と尋ねられたマッサは次のように答えた。
「ああ、多分そうだったと思う。でも、今ではすでに過去のことだし、もう関係ないよ」
「フェラーリで何年も素晴らしいシーズンを過ごしたことや、大勢の人たちとの友情は覚えているよ」
そのマッサも、メルセデスAMGが最高の2014年型車を持っているとの意見だ。メルセデスAMGのドライバーのうちルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのどちらが活躍しそうかと尋ねられたマッサは、「ロズベルグだね」と答えた。
だが、タイトルを取るであろうドライバーに金を賭けるとしたら誰を選ぶか、と尋ねられたマッサは、ニヤリと笑いながら次のように答えた。
「自分のことについて話すのは好きじゃないんだよね」