1997年のF1王者ジャック・ビルヌーブが、昨年4年連続でのF1タイトル獲得を達成したセバスチャン・ベッテルについて、その快進撃も今年は間違いなくストップするだろうと語った。
『Autosport(オートスポーツ)』や『La Repubblica(レプブリカ)』を含むイタリアのメディアに、次のようなビルヌーブのコメントが掲載された。
「彼(ベッテル)が今年は勝てないのは間違いないよ」
「僕に言わせれば、ルノーは全くダメだし、レースを完走することさえできないように見える」
「仮に彼ら(レッドブル)がヨーロッパでのレースに向けて新しいクルマを造っているとしても、何も変わらないだろうね。恐らく、それまで15周走れていたのが30周になるくらいだよ。それはクルマのせいじゃなくて、エンジンのせいなんだ」
「これは冗談だけど、でもなぜわざわざオーストラリアまで行くんだい? 彼らは決勝で半分も走れないだろうし、ほとんどのチームよりも遅いんだからね」
「ウィリアムズは今年からメルセデスエンジンに換えたけれど、それだけで彼らは調子が上がっている」
「マッサ(フェリペ・マッサ/ウィリアムズ)にとってはいいことだね。彼はもう終わっていたし、ここ何年かはF1ドライバーのようには見えなかったからね。それは、どれだけ彼のクルマがいいかってことを示すものだと思うよ」
「彼ら(ウィリアムズ)に開発を続ける資金があるかどうか様子を見る必要はあるけれどね」
現状ではメルセデスAMGが明らかに優位に立っているとの意見が多いが、大きな技術革新を迎えているだけに、ビルヌーブは2014年シーズンがどうなるかは全く分からないと次のように続けた。
「素晴らしい選手権になるかどうかは分からないよ。滑稽(こっけい)なものになる可能性だってある。オーストラリアGP(16日決勝)ではマルシャが表彰台に上ることだってあり得るからね」
ビルヌーブは、キミ・ライコネンがロータスから今年はフェラーリへ移籍したのは、たとえ非常に優れたドライバーであるフェルナンド・アロンソのチームメートとなるにせよ、いい決断だったと考えている。
「初めて、彼(ライコネン)が真剣に働いているのを見たよ。多分、報酬が支払われなかったシーズンを過ごしたことが彼にとってはよかったんだろうね」
「アロンソは1周目から攻めていくタイプだから燃料も多く使うことになるかもしれない。さらに、アロンソの姿勢によるところもあるよ」
「2012年のアロンソなら今年タイトルを取れるかもしれないけれど、2013年のアロンソならダメだろうね」
さらに、今シーズンは観客にとっては困惑することの多い難しいシーズンになるかもしれないとビルヌーブは予想するとともに、F1はレースを魅力的にするチャンスを失ってしまったと考えている。ビルヌーブは、『La Repubblica(レプブリカ)』に対して次のように語った。
「燃料制限はいいアイデアだよ。でも、燃料の節約は電子的に行うのではなく、ドライバーにやらせるべきなんだ」
そしてビルヌーブは、メルセデスAMGが2014年のタイトル獲得候補だと認めながらも、メルセデスAMGの弱点はルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグというドライバーラインアップだと次のように続けた。
「ハミルトンとロズベルグは友人関係にはない。でも、僕から見れば、お互いの間に火花が飛ぶこともないし、全く争いがないんだ。チームメート同士はもっと厳しい関係にあるべきだよ」
ビルヌーブは、レッドブルとは違い、フェラーリについて判断するにはまだ早いと考えているようだ。
「現時点では最高のクルマではないけれど、それほど遅いわけでもない」
「彼らは立ち直ることができる。5レースもすれば、もっとはっきりしたことが分かるだろうね」