ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)は、トップ争いができるクルマを手に入れるには我慢がいると話している。
資金難のザウバーから古巣フォース・インディアへの復帰を決めたヒュルケンベルグは、2014年のフェラーリ加入を目前にしていたと言われる。
ヒュルケンベルグからフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)のチームメートの座を奪う形でフェラーリに復帰するキミ・ライコネン(ロータス)について、もし、ライコネンがロータスに「愛想をつかさなければ」来年フェラーリにいたのは自身だったのだろうかと問われたヒュルケンベルグは、『Kolner Express(ケルン・エクスプレス)』に「残念だよね」と答えた。
「長い目で見て、レースで勝てるクルマに乗りたいのはあたりまえだよ」
「でも、それを何年も待たなければならないドライバーはたくさんいる。僕にどんな未来が待っているか、楽しみにしていようよ」
フェラーリとの交渉が一方的に打ち切られた後、ヒュルケンベルグには限られた選択肢しか残されていなかった。そのひとつはザウバーと同様に資金難に陥りながらも2013年シーズン終盤に好成績をあげたロータスだったが、ロータスが契約したのは豊富なスポンサー資金をもつパストール・マルドナードだった。
ロータスのチーム代表であるエリック・ブーリエは、ロータスが苦境にあることを認め、大きく規約が変更になる2014年シーズンについて『L’Equipe(レキップ)』にこう話した。
「来年がどうなるか誰にも分からない。しかし、予算から考えると、うちのチームが圧勝することはないだろう」
ロータスが資金的な問題を抱えているとしても、ザウバー移籍からわずか1年でフォース・インディアに戻ったヒュルケンベルグの決断はキャリアの「後退」だとする声もある。
その意見に対してヒュルケンベルグは「意見はそれぞれだよね」と自身の決断を後悔していない様子で話している。
「全体の状況をみないといけないんだ。資金不足のチームはたくさんあるから、選択は限られる」
「それにね、僕はまだF1で4年目なんだよ」