F1唯一のタイヤサプライヤーであるピレリをあまり批判するなと、元F1チームオーナーで現在はテレビ解説者のエディー・ジョーダンが提言している。
著しい性能低下の特性とあいまって多くの議論を呼んでいる2013年型タイヤ。製造元のピレリは批判の集中砲火を浴びているが、そのうえ「タイヤゲート」と呼ばれるスキャンダルにまみれ、今やFIA(国際自動車連盟)によって裁かれようとしている。
ところがジョーダンは、ピレリに対する扱いはもっと慎重になるべきと、オーストリア『Servus TV(セアヴスTV)』で次の警告を発する。
「ピレリはF1タイヤ供給の公開入札に手を上げ、金を払ってまでF1に参入したのだ。そんな彼らが一部のチームから非難を受け、バカにまでされている」
「私は各チームにいいたい、もっと言動に注意すべきだと。ピレリがいなくなったら、いったい誰がタイヤを供給するんだ?」
「ほかにもっとやる気あるメーカーがいるとでも思っているのか? ピレリにはもっと敬意を払うべきだ」とジョーダンは語っている。
また、声高にタイヤを批判するレッドブルのようなチームに屈してシーズン途中の仕様変更に応じるのは、ピレリにとってまったくの誤りだという。
「まっとうな仕事をした者をバカにはできないだろう」と、ジョーダンは2013年仕様のタイヤに合わせて「キッチリとクルマを造ってきた」チームのことをいっている。
マシン製作の失敗を棚に上げてタイヤに不平を並べていたチームがF1カナダGPでどうしたか、よく見てみるといいとジョーダン。
「(カナダで)彼らの口からタイヤのタの字も出なかったじゃないか」
「セバスチャン(ベッテル/レッドブル)が何か発言したか? アロンソ(フェルナンド・アロンソ/フェラーリ)もハミルトン(ルイス・ハミルトン/メルセデスAMG)もだんまりだ。だって3人は表彰台に上ったんだからね」
「タイヤがいうことをきかないときに限って、文句が口を突いて出るのさ」