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ベッテルにファステストを思いとどまらせた3つの言葉

2013年06月11日(火)10:43 am

F1第7戦カナダGPで、トップを快走するセバスチャン・ベッテル(レッドブル)を思いとどまらせたのは、無線で伝えられた3つの単語だった。

現チャンピオンのベッテルは、優勝だけでなく、ファステストラップもねらうので有名だ。

カナダGPでもベッテルは、2位以下を大きく引き離して迎えた最終ラップ、第1セクターで最速のタイムをたたき出した。

「驚きはしなかった」というレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーの言葉を『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えている。「だが、レースエンジニアに、抑えるように指示した」

これまでも、エンジニアの“ロッキー”ことギョーム・ロケリンは、意味のないファステストをあきらめるようベッテルを諭してきたが、たいていは聞き入れられなかった。

そこでロッキーは、カナダGPで別の作戦を取った。無線でベッテルに3つの言葉「モナコ、1988年、セナ」と伝えたのだ。

伝説的F1ドライバーのアイルトン・セナが1988年のモナコGPで後続を引き離して優勝確実という状況にもかかわらず、終盤に集中を切らしてクラッシュしたのは有名なエピソードだ。

ベッテルもそれを知っていた。無線で「分かったよ、ただの冗談」と答えると、ベッテルは指示通りペースを落としてクルージングし、そのままチェッカーフラッグを受けた。

おそらくベッテルの脳裏をよぎったのは、現在のチャンピオン争いのことだろう。ベッテルは、カナダGP優勝によって、ドライバーズランキングで2位フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)との差を36ポイントに広げ、史上まれに見る4連覇に向けて、より有利な状況にした。

一方、アロンソはまだあわてる必要はないとレース後に話している。

ポイント差がいくつになった時点で心配になるかと聞かれたアロンソは、こう答えた。「80か85ポイント離された時かな」

「それがぎりぎりの状況だろうね。(ポイント差が)3レース分以上だ」

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