F1第3戦中国GPでポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は、名門マクラーレンを出たことに対する批判に応えられたことを喜んでいる。
ハミルトンは、メルセデスAMGに移籍して初めての表彰台を第2戦F1マレーシアGPで果たすと、次の中国GPの予選では圧倒的な速さでポールポジションを獲得した。
「1つの結果では(批判に対する)答えにはならない」と予選後にハミルトンは語った。「でも、一歩一歩、前進し良くなっていくうちに、間違いを認めざるを得なくなるだろうね」
メルセデスAMGの好調さも意外だが、それよりも、ハミルトンが6年在籍したチームを離れて新しい環境にあっという間に適応したことに対しても、驚きの声が聞かれる。
「ハミルトンのことは心配だった。きちんと落ち着くまでに1年はかかると思っていた」と元F1ドライバーのパトリック・タンベイはフランスの『RMC Sport(RMCスポール)』に話している。
しかし、メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダは、まったく驚いていないと『The Sun(サン)』に語った。
「なぜなら彼は優秀だからだ。初日から、完ぺきな仕事ぶりだよ」
「私は彼を取ろうと努力した。今は、彼ならできると思っていたことを本当に成し遂げてくれていて、満足だ」
「人が尊敬するようなトップドライバーを連れてくることは、チームを前進させる一番手っ取り早い方法だよ」
逆にマクラーレンは、ずっと育ててきたハミルトンが抜けた穴を痛感しているかもしれない。
「ルイスにおめでとうを言うよ」とマクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュはハミルトンの移籍後初ポールを称え、次のように続けた。
「彼はいいドライバーでいいクルマに乗っている。当然の結果だ」
ハミルトンは、不振のマクラーレンから好調のメルセデスAMGに移籍して満足しているが、勝ち誇っているわけではない。
「当然、今もマクラーレンには愛着がある」とハミルトンは『BBC』サイトに連載中のコラムに書いている。
「僕をF1に連れてきてくれたチームだ。これからもずっと心の中にあり続けるし、絶対に悪いことを願ったりはしない」
「今年苦戦しているのを見て悲しいよ。必ず強くなってトップに戻ってくると信じている」とハミルトンはつづっている。