2013年からF1のクルマの“シャークフィン”と呼ばれるエンジンカバーが指定のものへ変更される可能性が浮上してきた。
この動きは、コクピットが深くなり、またドライバーがヘルメットのデザインをひん繁に変える最近の流れを受け、テレビやサーキットで観戦しているファンがドライバーを識別しやすくするために発案されたようだ。
メルセデスAMGは、先日フランスのマニ-クール・サーキットで行われた若手テストでこの「シャークフィン」による新たな解決法を模索した。
メルセデスAMGは、シャークフィンにドライバーのレースナンバー、出身国の国旗、そして名前を表す3文字のイニシャルを入れてテストを走行。
チーム代表のロス・ブラウンは、ドイツのモータースポーツ誌『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト )』に対し「各チームは、どうしたらサーキット上の各ドライバーを識別しやすくなるか考えてきた」と話した。
「ドライバーがヘルメットのデザインをひん繁に変えるのが今の流行みたいだけど、誰が運転しているか判断するのがとても難しい」
「今のところ、クルマに搭載するカーナンバーの大きさはとても小さい。マニ-クールで試したシャークフィンの方法は、ひとつの試みだった」
「これからFIA(F1を統括する国際自動車連盟)と他にもっとよい解決策がないか話し合う必要がある」とブラウンは付け加えた。
一方で、ブラウンはシャークフィンが理想的な解決策ではないと示唆している。
「バランスが重要だ。もし目立ちすぎたら、パートナーやスポンサーのロゴが観客の目に入らなくなってしまうだろ?」とブラウンは懸念している。
同じマニ-マニクールでの若手テストでは、フェラーリがノーズにカーナンバー、国旗、3文字のイニシャルを入れてテストを行っていた。
一方、メルセデスAMGが「トリプルDRS(※)」と呼ばれる新たなシステムを2週間後に行われる日本GP(10月7日決勝)のフリー走行で試す意向をブラウンは明らかにした。
「フリー走行で使用できると思うが、レース中に実践するには時期尚早だ」と語った。
(※)2011年から追い抜きをしやすくするためのDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)と呼ばれるシステムが導入されているが、メルセデス AMGでは今年からそのシステムを作動させることによってさらなる空気抵抗の削減をはかることができる「ダブルDRS」と呼ばれるシステムを導入している が、同チームではこのシステムをさらに発展させたトリプルDRSを開発中だと言われている。