今季F1にとってヨーロッパで最後の戦いになるイタリアGP。今回持ち込まれているタイヤは性能低下の度合いが低いため、決勝では多様な戦略が見られることになるとタイヤサプライヤーのピレリは予想する。以下、ピレリジャパンのプレスリリース。
モンツァで行われたイタリアグランプリ予選で、マクラーレンが今季3度目のフロントロー独占を達成しました。ルイス・ハミルトンが1分24秒010のタイムでポールポジションを獲得し、チームメートのジェンソン・バトンが2番グリッドを獲得しました。マクラーレンは、ウィリアムズが持つフロントロー独占回数記録61に並びました。両ドライバーともに、P Zeroホワイト・ミディアムタイヤを使用しました。このタイヤは、シーズン中で最速のサーキットで行われる今回のグランプリ用に、P Zeroシルバー・ハードタイヤとともに選択されています。
モンツァでの予選は、路面温度43℃のドライコンディションで行われました。Q1では、大半のドライバーがハードコンパウンドでセッションを開始しました。マルシャとHRTのみがミディアムコンパウンドでスタートしました。ハードコンパウンドからベストな結果を引き出すために、通常の予選よりも長いランとなる、1周のアウトラップ、4周のアタックラップ、1周のインラップを行うドライバーも見られました。
ロータスでロメ・グロジャンの代役を務めるジェローム・ダンブロシオは、上位勢の中で最初にミディアムタイヤへ交換しました。ダンブロシオにとっては、昨年のブラジルグランプリ以来の予選参加となります。フェラーリのフェルナンド・アロンソが、ハードタイヤを使用してQ1の最速タイムを記録しました。
Q2では、ダンブロシオのみがハードタイヤでセッションを開始し、ほかの16名のドライバーたちは、P Zeroホワイト・ミディアムタイヤでセッションに臨みました。アロンソが最初のアタックで、ミディアムタイヤを使用してベンチマークとなるタイムを記録し、Q2でも最速となりました。
Q3では、最初にフェラーリの両ドライバーが、ミディアムタイヤを使用してアタックを開始しました。しかし、ハミルトンが1回目のアタックで、ミディアムタイヤを使用して最速タイムを記録し、通算23回目のポールポジションを獲得しました。フォース・インディアのポール・ディ・レスタは、キャリアベストの4番手タイムを記録しましたが、ギアボックス交換ペナルティーによって、明日の決勝では5グリッド降格となります。
午前中に行われた最終フリー走行の結果は、このレース週末の大接戦を強調しています。ルイス・ハミルトンの最速タイムは、2番手のフェルナンド・アロンソのタイムとわずか1000分の1秒差でした。両ドライバーともに、ベストタイムを目指してミディアムタイヤを使用していました。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント
「今日の最終フリー走行と予選での接戦からも、われわれのタイヤの素晴らしい性能と耐久性が見られました。パラボリカの特性によって、右フロントタイヤには通常レベルの摩耗が見られましたが、デグラデーションは比較的低いものでした。ベルギーグランプリとイタリアグランプリ用にトレッドゲージを薄くしたので、温度上昇とブリスターを抑制することができますが、特にモンツァのようにダウンフォースレベルが極端に低いサーキットでは、タイヤのウォームアップにやや長く時間がかかります」
「耐久性の改善が証明され、コンパウンド間の性能差がラップあたり0.3秒程度のため、明日の決勝では、2ストップや1ストップの多様な戦略が見られると思います。今日、数チームが、マシンとタイヤの性能をより高めるために、ストレートでスリップストリームを活用していました。このサーキットでは、約0.1秒の価値を生み出します。Formula Oneのあらゆる面における戦略の重要性を示しています。いつものように、ファンの皆さんのあふれんばかりの熱気とともに、モンツァの雰囲気は素晴らしいものです。ここをわれわれのホームレースと呼べることは、本当に特権だと思います」
公式予選トップ10ドライバーの使用タイヤ:
ハミルトン 1分24秒010 ミディアム
バトン 1分24秒133 ミディアム
マッサ 1分24秒247 ミディアム
ディ・レスタ 1分24秒304 ミディアム
シューマッハ 1分24秒540 ミディアム
ベッテル 1分24秒802 ミディアム
ロズベルグ 1分24秒833 ミディアム
ライコネン 1分24秒855 ミディアム
小林 1分25秒109 ミディアム
アロンソ 1分25秒678 ミディアム