セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が、フェラーリと移籍交渉をしているとのうわさを再度否定した。
現在ディフェンディングチャンピオンとして2012年シーズンを戦っているベッテルはレッドブルと2013年までの契約を結んでいるが、それ以降のシーズンに関しての契約はまだ交わしていない。2014年にフェラーリへ移籍するための何らかの契約事項にサインしたという報道もされているが、本人はこれを否定している。
今回ドイツの『Bild(ビルト)』紙がインタビューの中で、洋服ダンスに赤い服はあるかとかまをかけると、ベッテルはこう答えた。「ああ、何を聞きたいのか想像がつくよ」
「でもね、フェラーリのレーシングスーツは持っていないと断言するよ」
こうした憶測が広がったのは、複数のメディアが「仮契約」を結んだと報道したためだが、その後さらに、フェラーリのチーム関係者がベッテルを称えるコメントをして話題になった。
「ステファノ・ドメニカリ(フェラーリのチーム代表)とルカ・ディ・モンテゼモーロ(フェラーリ会長)が、自分のことをフェラーリのドライバーになれると見てくれていると聞いて、光栄に思うよ」とベッテルも認めている。
「でも、それだけのことだ。実際、(契約に)サインはしていないし、誰とも握手していない」
「だけど、24人のF1ドライバーに、キャリアのどこかでフェラーリに行きたいかと聞けば、全員が行きたいと言うよ」
「それだけすごいレーシング・チームなんだ。ただ、すべてがうまくまとまる必要がある」
「誰にも分からないよ。もしかしたらそうなるかもしれないし、突然ほかのチームに行くかもしれない。逆に、全然どこにも行かないことだってあり得る。やっぱりレッドブル以上のパッケージはないという理由でね」
ベッテルは、すでに2013年以降の計画を立ててあるという報道も否定した。
「ない、ない、ない」とベッテルはきっぱり言い切った。「考えることは、今シーズンのことだけで手一杯だよ。その時その時がすごく大事なんだ。今年タイトルを守ることは、もう十分大変な状況になっているんだから」
「数年先にどうなるだろうかなんてことを考えている余裕はないし、そんなことはしないよ。とにかくずっとずっと先の話だ」
しかしベッテルは、フェラーリの首脳陣と接触があることは否定しなかった。
「いつだって接触はあるよ」とベッテルは認めた。「でも、パドックでステファノ・ドメニカリと立ち話をしていたからって、もうすぐ彼のチームで走ることになる、というわけじゃないんだ」
また、フェラーリがベッテルを称えるコメントをしたのは、ライバルであるレッドブルのチーム内を不安定にする作戦なのではないかという説についても、ベッテルは否定した。
「レッドブルに問題は何もないよ」とベッテルは断言した。「上の人たちも僕の気持ちはちゃんと分かってくれている。お互いやりとりはすごくオープンなんだ」