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2012年のF1“タイヤくじ”は終わるのか?

2012年06月12日(火)21:31 pm

すでに7人の勝者を生んだ2012年F1シーズンに、8人目の勝者が生まれないとは言いきれないだろう。

10日(日)のカナダGPでルイス・ハミルトン(マクラーレン)が今季初優勝し、2012年開幕から7戦で7人目のドライバーが表彰台の一番上に立った。

波乱の展開が続く今季に優勝を経験したのは表彰台の常連ドライバーとトップチームだけではない。パストール・マルドナード(ウィリアムズ)がスペインGPで、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が中国GPでそれぞれF1初優勝を飾った。

レースごとに優勝者が入れ替わる珍しい事態に、元フォース・インディアのエイドリアン・スーティルは「これがどこまで続くかな」とドイツの『Sky(スカイ)』局に語っている。

「あと1人か2人は別の勝者が生まれるだろうね。キミ・ライコネン(ロータス)は優勝候補だし、ザウバーのクルマもすごく速い」

2011年シーズン末にF1のレースシートを失ったスーティルは、モナコGP予選で最速タイムを出した7冠王者のミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)を候補に加えるのを忘れたようだ。さらに、ようやく復調の兆しを見せ始めたフェリペ・マッサ(フェラーリ)、カナダGPで表彰台に立ったロメ・グロジャン(ロータス)も含め、優勝候補者のリストはいつになく長い。

カナダGPでも見られたように、今シーズンの混戦の理由のひとつがピレリのタイヤだ。「崖から落ちる」と表されるように、ある時点から急激に性能が低下するタイヤは、各チームのエンジニアたちの頭を悩ませてきた。しかし、7戦を終えた今、徐々にタイヤへの理解が深まってきたようだ。

今シーズン2勝を挙げているレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、「タイヤが少し分かってきた」と話している。

カナダGPではタイヤの寿命を超えて走り続けた結果、新しいタイヤを履いたハミルトンに勝利を奪われたフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)も、ホーナーと同様の見解をドイツの『RTL』局に明かしている。

「ルイスが7人目の勝者になった。もう、新しいドライバーが優勝することはないね」

「ある程度は落ち着くと思う。次のレースでは(今シーズン)2勝目を手にするドライバーが出てくるだろう」とアロンソは語っている。

ディフェンディングチャンピオンのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)も、混戦はそろそろ終わると見ている。

1982年にケケ・ロズベルグがシーズンで1勝しかせずにチャンピオンになった例があるが、「それはないだろうね」と、ベッテルは30年ぶりの再現に否定的だ。

しかし、カナダGPの勝者ハミルトンはやや異なる意見をもっている。

「シーズン中はずっとこの状況が続くような気がする。でも、僕の推測も他の人の推測も、当たる確率は変わらないよ」と、ハミルトンは自身を含めて6人のチャンピオン経験者が参戦する2012年シーズンの展開を予想している。

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