元F1ドライバーのフェリペ・マッサが、2008年のF1世界選手権の結果に関する「正義」を求めてF1を提訴するという脅しを実行に移した。
元フェラーリドライバーのマッサは、昨年、元F1最高責任者のバーニー・エクレストンが語った「クラッシュゲート」スキャンダルをめぐる状況の検証を求める発言をきっかけに、F1アンバサダーとしての活動を休止している。
■円満解決は失敗、121億円の損害賠償
エクレストンは、F1が2008年に「この問題を調査するのに十分な情報」を得ており、ルイス・ハミルトンがそのシーズンのチャンピオンになる前に「シンガポールでのレース(の結果)をキャンセルできた」と述べた。
マッサの弁護団は現在、「円満解決の試みは失敗に終わり、マッサ氏には法的手続きを開始するしかない」と宣言している。
その法的手続きは現在、ロンドンの高等裁判所に提出されている。
「マッサ氏はまた、FIA(国際サーキット)の失態によって彼が被った多大な金銭的損失に対する損害賠償を求めており、これにはエクレストン氏とFOM(フォーミュラワン・マネジメント)も共犯だ」と弁護士は付け加えた。
イギリス紙は、42歳のマッサが少なくとも8,200万ドル(約121億円)を求めていることを示す文書を引用している。
■訴えられたエクレストン、マッサは完全に正しい
エクレストンは訴えられた側の一人だが、月曜日の『Guardian(ガーディアン)』紙は彼のコメントを伝えている。
「もし彼が私に尋ねてきたなら、私は訴えることが完全に正しいことであり、何が正しくて何が間違っているかはイギリスの裁判官に判断してもらうべきだと言っただろうね」
■マッサ、正義を求めて法廷で戦う
しかし、ブラジル人ドライバーに対して負け惜しみだと激しく批判する声もある。
FIAとリバティ・メディアが運営するF1はコメントを避けたが、マッサは月曜日にブラジルの放送局『Globo(グローボ)』に次のように語った。
「僕はいつも最後まで戦うと言っていた。FIAとFOMが何もしないと決めた以上、我々は法廷でこの歴史的な不正の救済を求めるつもりだ。この問題は現在弁護士に委ねられており、彼らにはスポーツ界の正義を実現するために必要なことは何でもする権限が与えられている」。