3人のF1ドライバーが、物議を醸している2024年の『スプリント』週末のフォーマット調整を称賛した。
■スプリント週末に大きなルール変更
ロンドンで開催されたF1委員会の直近の会合では、中国、マイアミ、オーストリア、オースティン、ブラジル、カタールの6回行われるスプリントに関連する週末のスケジュールに改善が加えられることが合意された。
変更の1つは、セッションの順番を入れ替えたことだ。金曜日には、フリー走行とスプリント用の予選が行われる。土曜日の午前中には、スプリントレースが行われ、その後の土曜日午後に本来の予選が行われることになった。
しかし、それと同じくらい重要なのはセットアップ変更ができなくなる『パルクフェルメ』のルールが変更されたことで、金曜日終了後にもマシンのセットアップを大きく変更できるようになったことだろう。
これまでは、金曜日午前中のたった1回のフリー走行を終えた後、金曜日の午後にはグランプリ予選が行われていたため、土曜日に向けて大幅なセットアップ変更はできなかった。今シーズンのパルクフェルメの詳細についてはまだFIAおよびF1から正式に発表されていないが、うわさでは2回のパルクフェルメがあり、土曜日のスプリント・レース後もセットアップ変更が可能になるようだ。
【2024年の新たなスプリント・フォーマット】
金曜日AM:フリー走行
金曜日PM:スプリント・予選
土曜日AM:スプリント・レース(100km)
土曜日PM:グランプリ・予選
日曜日PM:グランプリ・レース(300km)
昨年のF1カタールGPスプリント・レースでは、新人のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がF1で初のトップチェッカーを受け、新たなヒーローが誕生した。しかし、この勝利はF1公式記録としては残らないもので、F1がショービジネス化していると批判するドライバーも多い。
■サインツ「正しい方向への第一歩」
フェラーリのカルロス・サインツは『motorsport-total.com』に次のように語った。
「ドライバーもチームも、クルマが本来のパフォーマンスを発揮できないのであれば、変更を加えることができるべきだと思っている。もっと(ルール)変更を加えたいけど、正しい方向への一歩だよ」。
■スプリント反対派のフェルスタッペン「少しはマシ」
ワールドチャンピオン3回のマックス・フェルスタッペンは、これまでこのフォーマットに最も強く反対してきたが、2024年のスプリントへの変更は少なくとも「より論理的」であることには同意している。
「少しはマシになったよ。セットアップを間違えて、変更ができずにレースの週末が台無しになることもあったからね。」
「その一方で、このような(スプリント)レース、そしてその勝利でさえも僕にはまだ喜びがないんだ。でも、これは少なくとも助けになるよ」。
■ガスリー「優秀な人を持て余していたからF1にとって良いこと」
一方、アルピーヌのピエール・ガスリーは、2024年のルール調整について「大きな発展」だと考えている。
「これまでは、優秀な頭脳の持ち主が金曜日の午後から週末の間、何もできなくなるようなことがあった。フロントウイングを少し変更できただけで、他に何もできなかったのはちょっと残念だったから、これはF1にとっていいことだと思うよ」。
■PUは年4基、DRSは1周で作動へとルール変更
その他、F1委員会では、次のことが決まっている。
・2024年と2025年シーズンは、パワーユニット(PU)の割り当て数をドライバー1人につき4基に増やす。
・決勝レースでのDRS作動開始は、スタート(またはセーフティカー後の再スタート)から2周経過してから使用可能だったが、1周してから使用可能へと早まった。