「Honda Racing THANKS DAY 2023」(モビリティリゾートもてぎ)で恒例の「カート対決」が行われ、F1ドライバーたちが“トラックリミット無視”のドライビングで会場を盛り上げた。
■トラックリミット関係なし!
優勝はマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスのレッドブルF1チーム。2位は角田裕毅とダニエル・リカルドのアルファタウリチーム。3位は1人で2回ドライブを担当した岩佐歩夢だった。
レースでは4輪チームがさすがのドライビングで次々とライバルたちをパス。しかし、2コーナーを“わざと”ショートカットするドライバーが続出したが、今回のカートレースにはトラックリミットのルールがないため、ペナルティは出なかった。ルールをしっかり把握した上でファンを楽しませようとする姿勢はさすがF1ドライバーだ・・・。
■最後尾に落とされたフェルスタッペン「リカルドはテロリスト・・・」
さらに3コーナーではリカルドがフェルスタッペンに突っ込み、フェルスタッペンがスピンして最後尾に落ちるシーンも。レース後フェルスタッペンは「リカルドがテロリストになった」と笑いながら表現した。
フェルスタッペンは最後尾に落ちながらも、着実に追い上げトップ争いまで復活するあたりはF1さながらだった。
フェルスタッペンはペレスにバトンタッチすると、フェルスタッペンが手で背中を押しながら再スタートの加速をサポートする“チームプレイ”のおかげもあり、ペレスもトップ争いを演じた。
■荒いドライビングを学んだ角田裕毅、岩佐歩夢に強烈ブロック
リカルドから交代した角田裕毅は、チームメートの“荒い”ドライビングから学んだのか、3台で入れ替わるように1位争いをしていた岩佐歩夢に対して、激しすぎる幅寄せで走行ラインを潰して壁に押し付けるほどのブロックで2位を死守。F1の厳しさを教えているかのようだった・・・。
比較的“真面目”に走っていた岩佐歩夢はまさかの展開に右腕を振り上げ抗議をしたが、会場は盛り上がったためお咎めなしとなった・・・。岩佐歩夢は今回F1ドライバーから学んだ知恵(?)と経験を活かして、来季スーパーフォーミュラでチャンピオンを目指し、F1シートを掴んでもらいたい。
角田裕毅はレース後、“リカルド仕様”に仕上げられたカートのシートポジションが合わなかったようで、他のドライバーたちの前で足を伸ばしながら「ペダルに足が届かなくて」と笑いながら明かし、フェルスタッペン、ペレス、リカルドは爆笑していた。身長差があるとマシンをシェアするのはかなり難しいようだ。
例年通りエンタメ満載のカート対決となったが、ドライビングは全員超一流だ。普段は見えないステアリングやペダル操作など、F1ドライバーのスーパーテクニックとエンタメ走行が目の前で見られるのは、世界でもここだけだろう。