フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが、17日(木)に行われたF1ラスベガスGPのフリー走行1回目でカルロス・サインツのF1マシンが受けた損害の賠償をレース主催者に求める可能性を否定しなかった。
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■ラスベガスで大きな損傷を負ったサインツのマシン
ラスベガスGPのフリー走行1回目開始早々にサインツのマシンがドレインカバー(マンホールの蓋)で大きなダメージを負ってしまったが、伝えられるところによれば、その額はおよそ150万ドル(約2億2000万円)にも達する可能性があるという。
サインツのF1マシンは、シャシーだけでなく、エンジンやギアボックスまでドレインカバーによる損害を受けたと伝えられているが、この事故により規定数を超えるES(バッテリー)を投入せざるを得なくなったサインツは、10グリッド降格ペナルティーを受けている。
■レース運営の不手際も指摘するバスール
サインツのマシンが損傷したのは自分たちのせいではないにもかかわらず、グリッドペナルティーが科されたことにバスールが納得できていないのは明らかだ。
「金属パーツ(ドレインカバー)がマシンを前から後ろまで縦に切り裂いたんだ」
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ったフランス出身のバスールは次のように付け加え、フリー走行1回目でのレースオフィシャルたちの判断にも疑問を呈している。
「現場ではイエローフラッグが振られていた。だから、それには何か理由があったはずだ。しかし、それは我々には知らされなかった」
「全員に警告を出す時間は十分にあったはずだよ」
「イエローフラッグを出す判断を下した者は何かを見ていたのに、レッドフラッグが出されるまでに1分もかかってしまった。金属部品が飛び出していたのに、ドライバーたちは時速340キロメートルで走っているんだ」
■レース主催者に損害賠償を求める可能性も
バスールはまた、サーキット管理の責任を負うべきレース主催者に対し、今回の損害の補償を求める可能性を否定していない。
「これは主催者と個人的に話すことになるだろう」
そう語った55歳のバスールは、次のように付け加えた」
「もう一度言うが、私が憤慨しているのはあの出来事にではなく、運営組織に対してだよ」
F1では、2019年のアゼルバイジャンGP金曜フリー走行1回目に、やはりジョージ・ラッセル(現メルセデス)がステアリングを握っていたウィリアムズF1マシンが、外れてしまったドレインカバーによって大きなダメージを受けてしまう事故が起きていた。
このときは、レース主催者がウィリアムズに対し、その損害額全額を補償している。