先週末のF1ラスベガスGPでは初日のフリー走行1回目で、カルロス・サインツのフェラーリF1マシンがマンホールの蓋による大きな損傷を受けるという事故が起きていた。
●【2023年F1チャンピオンシップ・ランキング】第22戦F1ラスベガスGP終了後
この事故により規定数を超えるエンジンコンポーネント(ES)を投入せざるを得なくなったサインツは、決勝で10グリッド降格ペナルティーを受けることになってしまった。
しかし、翌日に行われた予選ではシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得すると、サインツもそれに続く2番手タイムをマークし、ラスベガス・ストリップ・サーキットに訪れたフェラーリファンたちを歓喜させた。
■ランキング2番手のメルセデスとの差が一気に4ポイントに
決勝ではルクレールがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に逆転されて2位に終わったものの、グリッド降格により12番グリッドからスタートしたサインツも6位にまでばん回している。
そして、コンストラクターズランキング2位争いのライバルであるメルセデスのルイス・ハミルトンが7位、ジョージ・ラッセルが8位に終わったことから、現在ランキング2番手に位置しているメルセデスと3番手フェラーリのポイント差は、レース前の20ポイント差から4ポイント差にまで縮まっている。
■最終戦ではメルセデスとフェラーリの熾烈な争いに
フェラーリでは現在、今週末に開催される2023年最終戦F1アブダビGP(26日決勝)でメルセデスからコンストラクターズランキング2位の座を奪うべく、マシンのモノコック交換を急いでいるという。
「我々はまだ予算(上限)の範囲内だ。だが、あのダメージ(サインツの事故)のせいで範囲が狭くなってしまったよ」
そう語ったチーム代表のフレデリック・バスールは、冗談めかして次のように付け加えている。
「もしまた同じようなことが起きたら、我々はアブダビをスキップしなければならなくなるよ」
今週末の最終戦アブダビGPでは、メルセデスがフェラーリの攻撃をしのいでこのままランキング2位でシーズンを終えるのか、それともフェラーリが最後に逆転して昨年同様ランキング2位に浮上するのか、この2チームの戦いからも目が離せなくなりそうだ。