レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、2024年F1シーズンにおいてレッドブルにとって最大の強敵となるのはマクラーレンだろうと考えている。
■2レース連続で2人が表彰台に上ったマクラーレン
2023年F1シーズンがスタートした当初は苦戦を知られていたイギリスの名門F1チームであるマクラーレンだが、シーズン中盤から大きくパフォーマンスを改善してきており、鈴鹿で行われた第17戦日本GPと先週末の第18戦カタールGPではいずれも、優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と共にマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリの2人が表彰台に上る活躍を見せている。
しかも、カタールで行われたスプリントシュートアウトでは今年F1デビューしたばかりのルーキードライバーであるピアストリが最速タイムを刻み、スプリントでも見事に優勝を果たしている。
■来年はマクラーレンとの勝負になりそうだとマルコ
こうしたマクラーレンの躍進を受け、マルコは母国オーストリアの『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』に次のように語っている。
「今では彼らが我々にとって常連の追っ手だ。そして、彼らはまだ勢いを増している」
マルコはさらに、カタールで3年連続でのドライバーズタイトル獲得を確定させたフェルスタッペンが今年は圧倒的な強さを見せているにもかかわらず、レッドブルはカタールでの週末を通してマクラーレンを意識していたことを認めている。
「私たちはマクラーレンに照らして自分たちのペースを設定していたんだ」
「これは特筆すべきことだし、これからどのサーキットでもそうなると考えれば恐ろしいよ。来年は彼らと厳しい戦いを展開することになるかもしれないね」
そう語った80歳のマルコは、次のように付け加えた。
「ほかのチームはマクラーレンと我々についてくることができなかったよ」
■今後の表彰台はレッドブルとマクラーレンが独占?
マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラも先週末のカタールGPに言及しながらオーストリアの放送局『ORF』に次のように語っている。
「我々にとって非常にポジティブな週末だった」
「我々には2番目に速いマシンがあるし、それは将来に向けて本当にいいことだ」
「F1をよりエキサイティングで見所のあるものにすることに貢献できて嬉しく思っているよ」
イタリアの『Corriere dello Sport(コリエレ・デロ・スポルト)』紙は、2レース連続でフェルスタッペンをはさんでマクラーレンのノリスとピアストリが表彰台に上ったことに言及し、これは「将来の表彰台」を示すものだったと報じている。
■違うサーキットではどうなるかわからないとフェラーリF1チーム代表
しかし、フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールはそうは考えていないようだ。
「マクラーレンが今では2番目に速いチームだと言っていいだろう。だが、カタールと鈴鹿には共通する特性がある。それは高速コーナーが連続するという点だ」
そう語ったバスールは、来週末にF1第19戦アメリカGPが開催されるテキサス州オースティンのCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)では直近の2レースとは異なる展開になる可能性もあると次のように付け加えた。
「モンツァとシンガポールでは、おそらくマクラーレンよりも我々のほうがよかった。だから、今後のレースで様子を見ていこう。まずはオースティンからだ。あのサーキットはあらゆるものが混在している。だから、自分たちの本当の位置を理解することができるんだ」
次戦アメリカGPもカタール同様スプリント週末となり、日本時間21日(土)午前6時から予選、22日(日)午前7時からスプリント、そして23日(月)午前4時から決勝が行われる予定となっている。