先週末に行われた2023年F1第18戦カタールGPはF1ドライバーたちにとって非常に過酷なレースとなってしまっていた。
■今後に向けて対策を講じるとFIA
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、カタールGP決勝で複数のドライバーが脱水症状と熱中症を引き起こしたことを受けて声明を発表し、その中で次のように語っている。
「選び抜かれたアスリートではあるものの、健康もしくは安全が脅かされるような状況下で彼らが競争することを期待するべきではない」
そのため、FIAはカタールでの状況を完全に解析し、「将来の異常気象の状況に関する提言」を行うことを約束している。
たとえば、カタールGP決勝後にめまいと視力障害を訴え、マシンを降りてすぐに救急車で運ばれることになったランス・ストロール(アストンマーティン)は、F1はドライバーの換気をよくするための技術的ルールを検討すべきだと語ったと伝えられている。
■F1ドライバーのトレーニングにも問題があるとクリスチャン・ダナー
だが、1980年代後半にザクスピードやアロウズなどで戦った経験を持つドイツ出身元ドライバーのクリスチャン・ダナーは、F1ドライバーたちは高温と高湿度に苦しめられることが予想されるレースに備えてトレーニングプログラムの見直しも図っていくべきだと考えている。
「腹筋を鍛えたり、ジムでトレーニングしたりするだけではだめなんだ」
「誤解しないでほしいが、カタールがすごく暑かったにせよ、それは私にとってはさほど驚きではなかったよ」
「もちろん、現代のドライバーたちはよく訓練されている。だが、おそらく不適切なトレーニングをしているのだろう」
オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』にそう語った65歳のダナーは、次のように付け加えた。
「このような激しいレースに向けてドライバーたちの身体的準備が十分にできていないということがあってはならないんだ。ドライバーはいつでもサウナで自転車に乗り、暖房をつけてトレーニングすることができるんだからね」。