ザントフォールトで行われた今季のF1第14戦オランダGPの金曜フリー走行でクラッシュし、手に7か所に及ぶ骨折を負ったダニエル・リカルド(アルファタウリ)は、ここまでオランダGP、イタリアGP、シンガポールGP、日本GPの4レースを欠場している。
そして、最新の情報によれば、来週末に開催される第18戦カタールGP(10月8日決勝)になるだろうと予想されていたリカルドの復帰がさらに延びることになりそうだ。
■シミュレーターでリカルドの復帰可能性を確認するアルファタウリ
チーム関係者によれば、アルファタウリはイギリスのミルトン・キーンズにあるレッドブルのファクトリーでリカルドにシミュレーター作業をさせることで復帰の可能性を見極めていくつもりのようだ。
アルファタウリのチーフレースエンジニアを務めるジョナサン・エドールズは、次のように語っている。
「シミュレーターはマシンを非常によく再現している。それによる負荷など、あらゆることをね」
「最終的な決断は、我々よりもむしろ彼が下すことになると思っている。痛みや回復具合がどうなのかについては誰よりも彼がよくわかるだろうからね」
■重要なのはリカルドの完全回復
だが、エドールズは、リカルドの復帰を急がせるつもりは全くないとしている。
「我々は早く復帰するよう彼にプレッシャーをかけているわけではないよ。現時点では、我々には3人の優秀なドライバーがいるわけだからね。焦る必要はないんだ」
「重要なのはダニエルが完全に回復することだ。そうすれば、彼が戻ってきたときに、それ(負傷)が話題になることもないからね」
■ローソンがアメリカGPまで出走の可能性
当然ながら、リカルドの復帰が延びる場合には、21歳のニュージーランド出身ドライバーであるリアム・ローソンがこれまでと同じように代役を務めることになる。
ローソンは今年日本のスーパーフォーミュラにフル参戦しており、あと2レースを残す時点でトップと8ポイント差のランキング2番手につけている。そして、その最終2レースはF1第20戦メキシコGP(10月29日決勝)と同じ10月最後の週末に予定されている。
つまり、リカルドがメキシコで復帰することができれば、ローソンは年間タイトル獲得を目指して鈴鹿でスーパーフォーミュラの最終ラウンドに挑むことができるわけだ。
伝えられるところによれば、アルファタウリはリカルドに対し、暫定的にメキシコでの復帰を目指すように伝えたと考えられており、第19戦アメリカGP(10月22日決勝)まではローソンが角田裕毅と共に走ることになる可能性があるようだ。
■ローソンにはポテンシャルがあるとエドールズ
オランダGPの土曜日のセッションから急遽リカルドの代役としてアルファタウリF1マシンのステアリングを握ったローソンだが、ここまでに出走した4レースでは期待以上のパフォーマンスを示しており、チーム内での評価も非常に高まっているのは確かだ。
ローソンについて質問されたエドールズは、次のように語っている。
「彼にはポテンシャルがある。だから、ダニエルの回復を待つ間、彼と一緒にもっとレースができるのをワクワクしているよ」