ブラジル出身元F1ドライバーのエマーソン・フィッティパルディは、最近調子が上がってこないシャルル・ルクレールはフェラーリで結果を出さなくてはならないというプレッシャーに苦しんでいるのだと考えている。
最近では25歳のルクレールよりもチームメートである29歳のカルロス・サインツの方が安定したパフォーマンスを見せているように見える。
1972年にロータス、そして1974年にマクラーレンでF1チャンピオンに輝いた実績を持つ76歳のフィッティパルディは、それはルクレールがプレッシャーを抱えこんでいるためだと次のように語った。
■サインツの活躍がさらにルクレールのプレッシャーに
「私は、ルクレールの方がサインツよりも大きなプレッシャーにさらされていると思っている。そして、そのプレッシャーは内側から来るものだ。彼はパフォーマンスを発揮し成果を出したいと思っているが、それを達成することができていない」
「カルロス・サインツの方が完走することに関してはルクレールよりも安定しているように見える。それがさらにシャルルのプレッシャーを生むことになるだろう」
「チームメートが結果を出していることを知っている。それが全てだよ。同じマシンを持つチームメートがいれば、それがプレッシャーになるし、精神的に強くなければいろんなことが難しくなるものさ」
■「優しすぎる」ルクレールは「変だ」とロズベルグ
2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグは、先週末に行われたF1第15戦イタリアGP決勝の終盤にサインツと表彰台を争ってホイール・トゥ・ホイールのバトルを繰り広げたルクレールのレース後のコメントを聞いたときには「優しすぎる」と思ったという。
メルセデスでチームメートのルイス・ハミルトンと激しい戦いを演じたことで知られる38歳のロズベルグは、先週末のモンツァで次のように付け加えた。
「つまり、彼が『あんなにいい戦いができたし、すごく素晴らしい日だ。僕はカルロスと一緒にビールを飲んで笑うつもりだよ』なんて言ったのは、ちょっと変だよ」
■ルクレールはもっとリラックスするべき
フィッティパルディは、ルクレールが自分の目標に集中できなくなっているのだろうと考えている。
「シャルル・ルクレールにはもっと集中する必要があるし、あまり心配しないようにしなくてはならないよ」
「ドライバーがそういうことを始めたら、それは彼自身にとって最悪なことなんだ。彼に才能があることはわかっている。だが、私の意見だが、彼はもっとリラックスする必要があるよ。もっと気楽にやれば彼のパフォーマンスも上がるだろうし、ミスも減るだろう」
「どんなアスリートだって自分自身にプレッシャーをかけすぎれば生産的な領域から外れてしまうものなんだ。やりすぎるのはよくないし、十分でなければパフォーマンスは発揮できないからね」
「アスリートにはそれぞれのパフォーマンスの領域がある。そして、私に言わせれば、彼はそれを超えてしまっており、彼の驚異的な才能を正当化できないようなミスを犯しているんだ」
そう語ったフィッティパルディは、次のように付け加えている。
「ルクレールはその領域に身を置く必要があるよ。口で言うほど簡単なことではないと私もわかっているがね」。