ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、アルファタウリがルーキードライバーのニック・デ・フリースとの契約を解除し、今週末のF1ハンガリーGP以降はダニエル・リカルドを起用することにしたのは、自分たちが2023年シーズンに向けてミック・シューマッハではなくニコ・ヒュルケンベルグと契約したことにヒントを得たのではないかと考えているようだ。
■アルファタウリはハースの事例を参考にしていた?
伝説的F1ドライバーであるミハエル・シューマッハの息子であるミック・シューマッハを2021年から2年間にわたって起用していたハースだが、2023年に向けてその契約を更新することはせず、代わりに35歳のヒュルケンベルグと契約を結んでいる。
2019年シーズン後にルノー(現アルピーヌ)のシートを失ったヒュルケンベルグは、以後3年にわたって浪人生活を送っていたこともあり、そのハースの決断に対しては批判的な意見も多く見られていた。
イタリア出身のシュタイナーは、ドイツの放送局『n-tv』に対し、ひょっとしたらレッドブルとアルファタウリがハースのやり方を真似た可能性もあると次のように語った。
「我々は昨年、チームに経験をもたらすためには何かをしなければならないとも言っていたし、それがニコ・ヒュルケンベルグを起用した理由だったんだ」
「ひょっとしたら、誰かがそれを見てこう考えたんじゃないかな。『彼らにはそれがうまくいったようだから、我々もその方法でやってみよう』とね」
実際のところ、ヒュルケンベルグはここまでの10レース中8レースの予選でチームメートのケビン・マグヌッセンを上回っており、ドライバーズランキングでも7ポイント差をつけて上位に立っている。
■シューマッハとデ・フリースの将来は?
一方、シュタイナーは、ハースとしては契約を更新しなかったものの、まだ24歳のシューマッハのキャリアがこれで終わるわけではないと考えているようだ。かつてはフェラーリの育成ドライバーであったシューマッハは、現在はメルセデスと手を組み、今季はリザーブドライバーを務めている。
「ルーキー全員を見渡しても、私は彼がまだコックピットを見つけるためのベストポジションにいると思っているよ。彼にはメルセデスとの関係があるし、論理的にメルセデスには多くのカスタマーチームがあるからね」
一方、デ・フリースも2021年と2022年にメルセデスのリザーブドライバーを務めた経験を持っている。そして、そのデ・フリースがアルファタウリを解雇された後、モナコのカフェでメルセデスのチーム代表であるトト・ヴォルフと一緒にいるところを目撃されている。
フォーミュラEに復帰するために日産と交渉しているとの噂もあるデ・フリースだが、再びメルセデスと組んでF1復帰を目指すというルートも視野に入っているのかもしれない。
■F1チームのボスは自分で決断して責任をとるだけ
シュタイナーは、いずれにせよ、F1チームのボスたちは自分で責任を持って決断を下していくしかないのだと次のように主張している。
「私はほかのチームのボスたちが決めたことに干渉するつもりはないよ。誰もが自分で決断を下さなくてはならないし、責任を持って生きていかなければならないんだ」。