先週末にレッドブルリンクで開催された2023年F1第10戦オーストリアGPでもマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が勝利し、今季の通算勝利数を7に伸ばしている。
また、レッドブルとしても、今季はここまでの9レースを負け無しできており、今季のレース全てでレッドブルが勝利する可能性が高まってきたと考えている者も少なくないようだ。
■オーストリアGPで再びライバルとの差を広げたフェルスタッペン
実際のところ、アストンマーティン、メルセデス、フェラーリといったライバルチームたちも2023年型F1マシンの改善に取り組んできてはいる。だが、現時点においてはレースでフェルスタッペンを脅かすことができるまでのパフォーマンスを手に入れたチームはまだ出てきていない。
モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで行われた前戦カナダGP決勝では、勝利したフェルスタッペンと2位に入ったフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)の差はこれまでで最も小さい10秒以内に入っており、その後ろに続いたメルセデスのルイス・ハミルトンも15秒以内につけてきていた。これは、改善を続けるライバルたちがレッドブルとの差を縮め始めたものだと考えられていた。
ところが、先週末のレッドブルリンクでは、再びフェルスタッペンが大きな差をつけ、レース終盤には2番手につけていたシャルル・ルクレールとの差を24秒にも開いていた。このため、フェルスタッペンには最後にタイヤ交換のためにピットインする余裕が生まれ、ファステストラップを刻むことに成功している。
■オーストリアではまたいい仕事ができたとフェルスタッペン
オーストリアGP決勝後の記者会見においてそのことに関する質問を受けたフェルスタッペンは次のように答えている
「つまり、彼らにとって少しうまくいく週末もあれば、そうではない週末もあるということさ」
「そして、僕にとってモントリオールはそれほど素晴らしいレースではなかった。僕たちの側から見ればね。そして、ここでは僕たちが本当にいい仕事をしたと思うし、当然ながらその差は少し大きくなったんだ」
■一貫性があるのはレッドブルだけだとアロンソ
カナダでは2位表彰台に上ったものの、オーストリアGPでは5位に終わったアロンソは、レッドブルの強さは、どこのサーキットでも強さを示すその一貫性にあると次のように語っている。
「僕たちに起きていることは、フェラーリとメルセデスも同じだ。一貫性があるのはレッドブルだけだよ」
■今週末のシルバーストンにアップグレードを持ち込むメルセデス
こうした中、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、シルバーストン・サーキットで行われる今週末のF1イギリスGP(9日決勝)にまたアップグレードを持ち込むことを認めている。
「フェラーリとマクラーレンがここにアップグレードを持ち込んだと聞いている」
オーストリアGPが行われたレッドブルリンクでそう語ったヴォルフは、次のように付け加えた。
「我々はシルバーストンにひとつ持ち込む予定だし、それで自分たちの位置を確認することになるだろう」。