1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、今のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を止められるドライバーは誰もいないだろうと考えている。
●【最終結果:2023F1第10戦オーストリアGP】8名に追加ペナルティ・・・決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
■レッドブルリンクで今季2回目の“完全勝利”を達成したフェルスタッペン
先週末にレッドブルリンクで開催された2023年F1第10戦オーストリアGPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今季7勝目を上げた。
しかも、フェルスタッペンはこのレースで行われた全てのセッションでトップタイムを刻むとともに、決勝ではファステストラップも刻むという“完全勝利”を達成しており、これは第8戦スペインGPに次ぐ今季2回目の快挙だ。
レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、フェルスタッペンがオーストリアGP決勝終盤にソフトタイヤに履き替えることを要求したのは、ファステストポイント(1ポイント)が欲しかったからではなく、まさにその“完全勝利”を狙いに行くためだったと考えているようだ。
「私はすぐにノーと言ったよ。だが、彼は新しいタイヤを欲しがっていたし、彼の欲望を止めることはできなかったよ」
フェルスタッペンがファイナルラップでファステストを狙うために新しいタイヤに履き替えたいとチームに申し出てきたときのことに言及しながらそう語ったマルコは、微笑みを浮かべながら次のように続けた。
「これで、彼は安心して眠ることができるだろう」
「彼は信じられないほどやすやすとドライブしているよ」
■大量リードでタイトル3連覇に突き進むフェルスタッペン
第2戦サウジアラビアGPと第4戦アゼルバイジャンGPではチームメートのセルジオ・ペレスが勝利を飾っているものの、第5戦マイアミGP以降はフェルスタッペンが5連勝を達成したおり、まさに独走状態が続いている。
オーストリアGPを終えた時点でフェルスタッペンの獲得ポイントは229ポイントに到達。ランキング2番手に位置しているペレスとの差は81ポイントにまで開いてしまっており、今後よほどのことがなければ、フェルスタッペンが3年連続でのドライバーズタイトル獲得を逃すことは考えにくい状況だ。
■大量リードでタイトル3連覇に突き進むフェルスタッペン
こうした中、カナダ出身の52歳のビルヌーブは、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に対し、2023年型レッドブルF1マシンを駆るフェルスタッペンは現在「事実上無敵」だと語り、次のように付け加えている。
「ほかのドライバーたちは、全員浮き沈みがある。だが、マックスはそうではないよ」
実際のところ、ペレスに勝利を譲ったサウジアラビアとアゼルバイジャンでもフェルスタッペンはしっかりと2位に入っており、ここまでのところグリッド上で最も安定したドライバーであることは間違いない。
今週末にはF1第11戦イギリスGP(9日決勝)が開催されるが、その舞台となるシルバーストン・サーキットでもフェルスタッペンが連勝街道を突き進むのかどうかに注目が集まることになりそうだ。