レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、レッドブルにとってのホームレースとなる来週末のF1第10戦オーストリアGP(7月2日決勝)では、フェラーリが強さを発揮する可能性があると考えているようだ。
■カナダGPではライバルたちがレッドブルとの差を短縮
現F1チャンピオンであるレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、モントリオールで行われた先週末のカナダGPでも圧倒的な強さを見せて今季通算6勝目をあげている。
だが、このレースで勝利したフェルスタッペンと、2位となったフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)のタイム差は9.570秒であり、これは今季ここまでのレースにおいて最も接近したものだった。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、アストンマーティンが作成した風洞とシミュレーターのデータによれば、今後投入を予定している一連のアップグレードにより、レッドブルに並ぶ可能性が示されていると伝えている。
■アストンマーティンは「もっとやれる」とアロンソ
「オーストリアとシルバーストン(第11戦イギリスGP/7月9日決勝)でパッケージを最適化するだけだよ」
そう語った2005年と2006年のF1チャンピオンである41歳のアロンソは、次のように付け加えている。
「もっとやれるよ。僕は本当にレースに勝ちたいと思っている」
アストンマーティンのチーム代表を務めるマイク・クラックも次のように続けている。
「改良パーツはうまく機能しているし、我々はやめるつもりはない」
「我々はいい位置にいるが、それでよしとするつもりはないよ」
■レッドブルリンクではフェラーリが強いはずだとマルコ
一方、マルコは、カナダではアロンソとハミルトンが差を縮めてきたものの、本当にレースペースがよかったのはフェラーリだったと考えている。
カナダGP決勝を10番グリッドからスタートしたフェラーリのシャルル・ルクレールは優勝したフェルスタッペンとは19秒弱の差で4位に、そして11番グリッドスタートだったチームメートのカルロス・サインツは同じく約21秒差の5位となっている。
80歳のマルコは、21日(水)に、母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙に、オーストリアGPの舞台となるレッドブルリンクでもフェラーリが強さを示すだろうと次のように語った。
「モントリオールではフェラーリが最速のマシンを手にしていた。そして、レッドブルリンクは彼らに合っている」
「もしルクレールが1列目か2列目からスタートすれば、マックスにとっても楽な戦いにはならないだろうね」
■今のところ心配はしていないとフェルスタッペン
だが、オランダ出身ドライバーである25歳のフェルスタッペンは、アストンマーティン、メルセデス、フェラーリが改善を見せていることをあまり気にしていないようだ。
「マシンは速いし、最初から取り組みやすかった。謎なんて何もないし、毎週末すごく助けられているよ」
「現時点では心配はしていないよ。だけどほかのチームは多くのアップデートを施して改善を進めている。僕たちの方がまだ前にいるけれど、僕たちも取り組み続ける必要があるよ」
「でも、僕にそれを言う必要があるとは思っていないんだ。いくつか(のアップグレードが)用意されているしね」
そう語ったフェルスタッペンは、次のように付け加えた。
「カナダは気温のせいで面倒なことになっていたんだ。僕たちはタイヤをうまく機能させることができなかった。だけど、9秒差で勝ったということは、僕たちがまだ優れたマシンを持っていることを示すものさ」