2023年F1第9戦カナダGP(サーキット・ジル・ビルヌーブ)予選で角田裕毅(アルファタウリ)を含む4人にペナルティが科せられた。
■グリッド降格ペナルティ
角田裕毅(アルファタウリ)、カルロス・サインツ(フェラーリ)、ランス・ストロール(アストンマーティン)の3人は、予選中に他車を妨害したと判断され各々3グリッド降格ペナルティが科せられた。
予選8番手→11番グリッド:カルロス・サインツ(フェラーリ)
予選13番手→16番グリッド:ランス・ストロール(アストンマーティン)
予選16番手→19番グリッド:角田裕毅(アルファタウリ)
また、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は赤旗違反があったと判断され、本来の10グリッド降格より緩和されたものの3グリッド降格ペナルティを科せられた。
■サインツはピエール・ガスリーを妨害
カルロス・サインツは予選で、Q1終盤にピエール・ガスリー(アルピーヌ)を妨害したとして、スチュワードから3グリッド降格を言い渡された。
ガスリーはQ1の最終ラップを終えようとしていた時、最終シケインでサインツを避けるためにコースアウトする様子がカメラに映し出され、Q2進出を逃して、日曜日の決勝を17版グリッドからスタートすることになった。
しかしサインツはQ3に進出し、予選では8番手につけたが、3グリッド降格により11番手からレースをスタートすることになった。これにより、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)、そしてチームメイトのシャルル・ルクレールが、グリッド順を上げることになる。
スチュワードの報告書には次のように書かれている。
「55号車のドライバー(サインツ)は、13コーナーで22号車のドライバー(角田裕毅)に抜かれたことに驚いたと述べ、その結果、ファストラップを開始するための加速が遅れた」
「10号車のドライバー(ガスリー)は、サインツはもっと早く行くことができたし、そうすべきだったと述べている。テレメトリーではサインツとガスリーの間にかなりの速度差があった」
「角田の追い越し動作はサインツを驚かせたが、サインツに主な責任があり、(彼が)不必要にガスリーを妨害したという判断である」
■角田裕毅はヒュルケンベルグを妨害
角田裕毅の3グリッド降格ペナルティについて、スチュワードは報告書で次のように述べている。
「27号車(ヒュルケンベルグ)と22号車(角田)は、角田が前に出て高速周回中だった。ヒュルケンベルグは角田に追いつき、10コーナー進入で角田はワイドになり、ヒュルケンベルグの前でコースに復帰した」
「角田は、その時点で前のラップタイムより約3秒遅かったにもかかわらず、まだファスト・ラップ中であると考えた」
「角田は、ヒュルケンベルグを不必要に妨害したと判断する。角田は10コーナーでワイドになった後、ラップを放棄し、レーシングラインから離れることができた。そうすれば妨害は避けられただろう」。
■ストロールはオコンを妨害
ストロールの件に関しては、スチュワードは報告書で次のように説明している。
「18号車(ストロール)のドライバーは、31号車(オコン)の接近に気づいていたが、タイヤ(ソフトコンパウンド)が冷えていたためドライのレーシングラインにとどまるしかなく、そうしなければ路面が濡れていたため、クラッシュしていただろう」
「しかし、チームはオコンが接近していることを認識しており、7コーナーと8コーナー間のストレートでスピードを落とし、オコンを通過させることができたと思われる。そのため、ストロールは不必要にオコンを妨げてしまった」。