2022年には最強F1マシンを持ち込んだと言われていたフェラーリだが、マシンの信頼性問題に加え、ドライバーのミスやチームの戦略ミスが重なったこともあり、結局、念願のF1タイトルを手にするどころか、レッドブルに大差をつけられてしまった。
その後、昨年までアルファロメオのチーム代表を務めていたフレデリック・バスールを新チーム代表に迎えて臨んでいる2023年F1シーズンのフェラーリだが、開幕前には想像もできなかったほどの苦戦を強いられており、現時点においてドライバーズランキングではカルロス・サインツが6番手、シャルル・ルクレールが7番手に位置している。
■スペインGPでの改良マシン投入も不発
そのフェラーリは、起死回生を目指して先週末のF1スペインGPに大きな改良を施した2023年型マシンを投入したものの、結果的にはサインツが5位、ルクレールに至ってはポイント圏外の11位という厳しい結果に終わってしまった。
母国スペインのラジオ局『Cadena SER(カデナSER)』の番組『El Larguero(エル・ラルグェロ)』に出演したサインツは、自分にとってのホームレースでもあったバルセロナ・カタルーニャ・サーキットでの先週末のレースを振り返りながら、次のように語った。
「それでも、文句は言えないし、僕はうまくやっているよ」
「F1は常に相対的なものなんだ。そしてレッドブルが作ったマシンはこれまでで最も支配的なもののひとつだよ」
「メルセデスも、あのアップデートで正しい方向性を見出したようだね」
■フェルスタッペンにプレッシャーをかけるのも困難
「フェラーリは望んでいたような位置にはいないし、僕たちはまず自己批判的であるべきだ。だけど、それが現時点での状況だし、その能力を最大限に引き出し、改善することに集中しているところだよ」
「今シーズンのレッドブルに追いつくのが非常に難しいということは天才でなくてもわかることだ。それは、フェラーリにはそうできないとか、挑戦しないということではないよ」
「勝利を狙うために、僕たちは常に注意を払っていくつもりだよ。でも、レッドブルが圧倒的に強く、プレッシャーもないことを考えれば、マックス(フェルスタッペン)がミスをするように仕向けることは難しいんだ」
■カナダGPでは表彰台を狙う
そう語った28歳のサインツだが、フェラーリがモントリオールで行われる来週末のF1カナダGPではすぐに立ち直ることができると考えている。
「バルセロナはフェラーリにとって最悪のサーキットだったと思う」
そう語ったサインツは、次のように付け加えた。
「カナダはその逆だから、僕はそこで表彰台を狙っていくよ」
■噂は役に立たないが影響はない
一方、現在フェラーリとの間に2024年までの契約があるサインツだが、最近ではフェラーリがサインツを放出して別のドライバーを来季そのシートに座らせる可能性もあるといった噂もささやかれている。
そうした噂について質問されたサインツは、次のように答えている。
「ヘルメットをかぶってマシンに乗り込むとき、誰かが僕のクルマに乗ることになるのかどうかなんて考えないよ」
「今は1年の中で憶測が飛び交う時期なんだ。だけど、僕は8年か9年前からそういったものにさらされてきているよ」
そう語ったサインツは、次のように付け加えた。
「それが役に立たないのは事実だよ。だけど、それが個人的なレベルで僕に影響を及ぼすことはないんだ」。