マクラーレンとレッドブルが2026年からF1エンジン供給契約を結ぶことで合意したのではないかとの噂がささやかれているが、このほど両者ともにこれを否定した。
新たなF1エンジンレギュレーションが導入される2026年以降、現在ホンダエンジンを搭載しているレッドブルは自社製造のエンジンに切り替えることになっており、その一環としてアメリカのフォードと提携することが決定している。
■マーシャルの移籍はエンジン供給契約とのバーター?
だが、最近になって長年にわたってレッドブルのエンジニアリングを務めてきたロブ・マーシャルが2024年にマクラーレンに移籍することが発表された。
そして、レッドブル首脳たちが、これまで重要なポジションに就いていたマーシャルのマクラーレン移籍に関して、それを歓迎しているようにもとれるコメントを行ったことから、レッドブルはマーシャルを送り出す見返りとしてマクラーレンに2026年から自分たちのエンジンを供給することに合意させたのではないかとの疑惑の目が向けられるようになっていた。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、マーシャルのマクラーレン移籍について冗談交じりに次のように語っていた。
「いつもなら、誰かがチームを去るときは、彼らに対して『出て行け』と言うよ。でも、ロブの場合は、ちょっと違うんだ」
そして、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)も次のように付け加えていた。
「我々は非常に平和的に別れたよ。それは、両者にとっていい取引なんだ」
ホーナーもマーシャルの移籍に関しては金銭的な取引が含まれていることを認めていたが、F1関係者の中にはマーシャルの移籍がスムーズに進んだのは、マクラーレンとレッドブルの間のエンジン供給問題がからんでいたためだろうと推測している者もいたわけだ。
実際のところ、マーシャルは最近ではレッドブルのエンジン製造部門であるレッドブル・パワートレインズのプロジェクトに携わっていたと考えられている。
■マクラーレンとレッドブル両者がエンジンの噂を否定
しかし、マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラは、この件について質問されると次のように答えた。
「全く関連がないことははっきり言えるよ」
実際のところ、数か月前にはレッドブルと2026年のエンジン供給に関する「話し合い」を行ったことを認めたマクラーレンだが、現時点では、現在エンジン供給を受けているメルセデスとの契約を延長するための「かなり進んだ」話し合いが行われているところだとしている。
そして、ホーナーも次のように語っている。
「もしそういう意味で聞いているのだとしたら、ロブはエンジンを持って出て行くわけではないよ」