マックス・フェルスタッペンとのポイント差が非常に大きくなってしまったことで、チームメートのセルジオ・ペレスが本来の調子を取り戻すかもしれない。
そう考えているのは、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーだ。
■大差がついてしまったフェルスタッペンとペレス
先週末に行われた2023年F1第8戦スペインGPでは、3年連続でのF1ドライバーズタイトル獲得を目指すフェルスタッペンがライバルたちを寄せ付けず、完璧な走りで今季5勝目を達成。
一方、そのフェルスタッペンの唯一のライバルだと考えられていたペレスは、自分のミスから第7戦モナコGPをノーポイントで終えていたこともあり、タイトルを狙うためには、これ以上差を広げられるわけにはいかないという思いでスペインGPに臨んでいた。
しかし、そのプレッシャーからか、ペレスはやはり予選でミスを犯してしまい、Q3進出に失敗。11番グリッドからスタートした決勝ではなんとか4位にまでばん回したものの、この結果フェルスタッペンとの差は53ポイントにまで広がってしまった。
レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、モナコGPとスペインGPの結果を受け、フェルスタッペンとペレスのタイトル争いはすでに「決着した」と語っている。
■これでペレスのプレッシャーも軽くなるだろうとホーナー
実際のところ、モナコGPを迎える前の時点では14ポイントだった両者の差が、わずか2週間で50ポイント以上に膨らんだのはペレスのドライビングミスによるものだった。
ドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』から、ペレスは現F1チャンピオンであるフェルスタッペンとの1対1の戦いに臨むために自分にプレッシャーをかけすぎたのではないか、と質問されたホーナーは「そうだと思う」と答え、次のように続けた。
「我々もチェコ(ペレスの愛称)の実力はわかっているし、バクー(第4戦)とサウジアラビア(第2戦)でそれを目にした。だが、近い将来、彼が再びその調子を取り戻すことができると私は確信しているよ」
「2人のドライバーの差が今ではかなり大きくなったことで、いろいろな意味で彼は肩の力を抜くことができると思う」
そう語ったホーナーは、次のように付け加えている。
「そして、それによって彼はリラックスできるようになり、自分にプレッシャーをかけることなく、序盤のレースでの調子を取り戻すことができると思うよ」