フェラーリF1になぜハミルトンが必要なのか？ルクレールに厳しい声「迷子になっている」「王者たちの安定性がない、カジノみたいだ」と先輩ドライバーたち
オランダ出身のレーシングドライバーであり、かつて全日本GT選手権やフォーミュラ・ニッポンなどで活躍したトム・コロネルは、シャルル・ルクレールは現在苦境に立たされているフェラーリにおいて「迷子になっている」のかもしれないと考えている。
■バルセロナで悪夢のような週末を過ごしたルクレール
2023年は苦しいレースが続いているモナコ出身のルクレールだが、先週末にバルセロナ・カタルーニャ・サーキットで行われたF1スペインGPは、その25歳のルクレールにとって悪夢のようなレースとなってしまった。
なんと、予選で19番手という信じられない結果で終えたルクレールは、決勝をピットレーンからスタートし、少しずつ順位を上げたものの、最終的には11位でポイントには手が届かなかった。
■ルクレールは道を見失っているとコロネル
51歳のコロネルは、スウェーデンのストックホルムに拠点を置くストリーミングサービス会社『Viaplay（ヴィアプレイ）』に次のように語っている。
「見ればわかるだろう。彼は迷子になっているよ」
最近の噂では、フェラーリへの不満を募らせたルクレールがメルセデスへの移籍を考えており、ルイス・ハミルトンが入れ替わりにフェラーリに移る可能性があると言われている。そしてフェラーリがハミルトンに巨額の報酬を提示した、もしくは、するようだとの噂もささやかれている。
こうした中、コロネルは、フェラーリがルクレールと決別するほうが本当は正解かもしれないと考え始めているのではないかと推測しているようだ。
「そうだね、私は逆だと思うよ」
そう語ったコロネルは、次のように続けた。
「フェラーリは、組織を再編成するための選択をしなければならない」
「私には関係のないことだが、ルイス（ハミルトン）に2,000万ドル（約28億円）くらい払って彼を獲得したほうがいいと思うよ。そうすれば、少なくともチーム内に彼らを少しばかり前向きにさせる何かが起こるんじゃないかな」
「彼らはルイスのような人物を必要としている。なぜなら、彼らのパッケージは間違っているからね。だから、爆弾を落として、そこから始めるんだ。と言うのも、彼らには何か新しいものが必要なんだ」
■ルクレールはチャンピオンのレベルではないとアルバース
同じくオランダ出身の元F1ドライバーであるクリスチャン・アルバースも、もはやルクレールを将来のF1チャンピオンとみなすべきではないかもしれないと次のように語っている。
「彼ら（フェラーリ）はルクレールという新たな勝者を手に入れたと考えたんだ」
「彼は予選では怪物だ。だが、レースになると、常に五分五分だ」
「フェルナンド・アロンソ（アストンマーティン）、マックス（フェルスタッペン／レッドブル）、ルイス・ハミルトンを見れば、彼らのラップタイムはお互いにコンマ数秒の差しかない。カルロス・サインツ（フェラーリ）やセルジオ・ペレス（レッドブル）、ルクレールは、カジノのようなものだよ」
■フェラーリの一貫性のなさは信じられないほどだとルクレール
一方、ルクレール本人は、先週末の土曜日にQ1を19番手で終えた時点ではマシンのリアに問題があるのではないかと考えていたものの、何も原因は見つからなかったという。
「昨日はリアに問題があってドライブすることができなかったけれど、今日はフロントに問題があったんだ。僕たちの一貫性のなさは信じられないほどだよ。だけど、僕は同じことをしているし、同じやり方で運転しているんだ」
「これは僕たちが長い間抱えてきた問題であり、理解するのは不可能だよ」
■ファクトリーでルクレールのマシンを検証するとフレデリック・バスール
今年からチーム代表としてフェラーリを率いているフレデリック・バスールは、スペインGPの週末を通して実際にルクレールがマシンの問題に悩まされていたのかどうかはわからないとしている。
「わからないんだ。レギュレーションによって、見ることは許されていなかったからね」
パルクフェルメに言及しながらテレビ局『Sky Italia（スカイ・イタリア）』にそう語ったバスールは、次のように付け加えている。
「我々は彼がうまく走ることができるようにマシンを改造していた。だが、これからファクトリーでそれを分析しなければならない」。
