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ハミルトン、レース翌日の月曜日にメルセデスF1との契約交渉に臨む

2023年06月06日(火)11:28 am

ルイス・ハミルトンは月曜日、メルセデスのチームボスであるトト・ヴォルフと契約交渉に臨んだようだ。

F1スペインGP予選Q3では、7度のワールドチャンピオンのハミルトンとチームメイトのジョージ・ラッセルがストレートでアクセル全開で衝突したことから、両者の間に緊張が走っているとの噂が浮上した。

■ラルフ・シューマッハ「ラッセルはリーダーになろうとしている」

メルセデスはこの噂を否定したが、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、それ以上のものがあると感じている。

「ジョージはルイスにスリップストリームを与えたくないから、ドアを閉めたんだ。それが僕の分析だよ」と、彼は『Sky Deutschland』に語った。

「若いチャレンジャーがチーム・リーダーに取って代わることを望んでいる。彼らはプライベートでもそれほど仲が良くないんだ」。

■ハミルトンを倒したロズベルグだからこそラッセルの気持ちがわかる

ハミルトンの元チームメイトであるニコ・ロズベルグは、ハミルトンが謝るべきだ、とさえ言っている。

「2016年のことを少し思い出したよ」と、2016年のF1ワールドチャンピオンは『Sport1』に語った。

「ジョージはルイスを通したくなかったけど、彼はその後に謝った。ルイスも謝るべきだと思う、なぜなら彼のクルマは後ろにいたからだ」

「結局、残念な結果になってしまったが、まだ真剣な話し合いが続くと思う」

「私たちはメルセデスのライバル関係はすでに激しいことを忘れてはいけない。ジョージは実際にそこにいるし、ルイスをとても強くプッシュしているよ」

かつてハミルトンと緊迫感ある激しいチームメイトバトルを経験したロズベルグにしか分からないことかもしれない。

■ハミルトン、契約交渉はパフォーマンスに影響しない

ハミルトンに匹敵する目覚まし活躍を見せているラッセルだが、メルセデスは2025年の契約オプションを行使したことが明らかになっている。一方、38歳のハミルトンは、2024年の契約すらまだ結んでいない。

「まあ、まだ何もサインしていないけど、僕たちは明日トトと会うから、何か決まるといいね」と、スペインGPでラッセルを抑えて2位でフィニッシュしたハミルトンは話していた。

ハミルトンは、2024年の契約が基本的に合意されているという「微妙なヒント」を投じたことを否定した。

「そう、微妙にヒントになっていないね」

「僕たちは何度もミーティングをしてきた。多くのミーティングを重ねてきた、その中の1つに過ぎない」

「そして、今日の僕の結果を見れば、僕のパフォーマンスがその影響を受けていないことがわかるはずだ」

■トト・ヴォルフとハミルトンにとって良いタイミング

ヴォルフは日曜日、ハミルトンとの話し合いはわずか「30分」で前向きな結論に達するだろうと予測し、チームの広報担当者は、迅速な契約を妨げる「障害物はない」と付け加えた。

このミーティングのタイミングは、ヴォルフにとっても良いニュースで、チームが投入した“B”カーは、2022年と2023年の序盤まで「ノーサイドポッド」コンセプトで苦戦してきたチームにとって、明確な前進を意味するものだからだ。

「開発の方向性は正しく、上り調子だ。しかし、それは株価のようなもので、後退もあり得るんだ」とヴォルフは語った。

■ハミルトン、来季を見据えた体制の立て直しを望む

ハミルトンは契約更新のヒントとして、メルセデスが2023年のマシンを改良し続けることと、来年のマシンに焦点を切り替えることの「バランス」をうまく取る必要があることをほのめかした。

「彼ら(レッドブル)はとても先を行っていて、最終的にはマックスが今年も勝ち続けるだろう」

「つまり、来年に向けた開発を誰よりも早く、早急に始めることができるということだ。それが危険なんだよ」。

■2016年の激しすぎたチームメイトバトルを制してF1引退

ハミルトンと激しいバトルを繰り広げた2016年、ロズベルグはどんな状況だったのだろうか?

2016年は、2年連続3度目のチャンピオンで勢いに乗っていたハミルトンと挑戦者ロズベルグが激しいチームメイトバトルを繰り広げた。

4戦を残して、ロズベルグ9勝(313ポイント)、ハミルトン6勝(280ポイント)でロズベルグ有利という状況だったが、底力を発揮したハミルトンが最終戦を前に3連勝で追い上げていた。一方、ロズベルグは3戦連続2位を死守したが、流れは明らかにハミルトン有利だった。

2016年の最終戦アブダビGPは、ロズベルグが4位以下でないと自身4度目のチャンピオンになれないことがわかっていたハミルトンは、レースをリードしながらチームの指示を無視して意図的にペースを落とした。セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を巻き込んで4台のバトルに持ち込み、ロズベルグにプレッシャーをかけさせて4位以下にしようと試みたのだ。

最終的にロズベルグは2位でチェッカーフラッグを受けた。優勝したハミルトンから3位ベッテルまではわずか0.8秒差、4位フェルスタッペンまでも1.6秒差という大接戦のレースだった。追い上げられたロズベルグはたった5ポイント差で初のワールドチャンピオンを獲得している。

しかしその5日後、ロズベルグは突然F1引退を発表。ラスト5戦となった日本GPで優勝してタイトルがほぼ見えてきた後に引退を考えるようになったと明かし、ハミルトンとの激しすぎるバトルを制してチャンピオンになった翌日の夕方、F1引退を決断し、大きなプレッシャーから解放された。

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