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【レッドブル】安定した強さを見せるフェルスタッペン、ペレスのF1タイトル挑戦には黄信号

2023年05月29日(月)17:22 pm

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が3年連続でのF1ドライバーズタイトル獲得に向けて大きく前進した。

2023年はシーズン開幕当初からレッドブルが圧倒的な強さを示しており、ここまでの6レース全てで勝利を収めている。

そして、今年のドライバーズタイトル争いは、その最強F1マシンを手にする2021年と2022年のチャンピオンであるフェルスタッペンと、そのチームメートであるセルジオ・ペレスの2人に絞られたと考えられている。

開幕から5戦を消化した時点では、今季3勝のフェルスタッペンと2勝のペレスの差は14ポイントであり、ペレスの初タイトル獲得もまだ十分に射程内にあると考えられていた。

しかも、先週末のモナコGPはペレスにとって昨年優勝を遂げた験の良いレースであり、市街地サーキットに強いという定評があるペレスがフェルスタッペンとの差を縮めるチャンスも大いにあると考えられていた。

■モナコで大きく広がったフェルスタッペンとペレスの差

ところが、そのペレスはなんと予選Q1でクラッシュしてしまい、決勝を最後尾グリッドからスタートすることになってしまった。それとは対照的に、フェルスタッペンは予選Q3で暫定ポールタイムを刻んでいたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)を最終セクターで逆転して今季3度目のポールポジションを獲得。

レースでも、抜きどころのないモンテカルロ市街地サーキットを最後尾からスタートしたペレスがノーポイントで終えたのに対し、フェルスタッペンは盤石の走りで今季4勝目を上げ、両者の差は39ポイントにまで開いてしまった。

■ペレスは「壊れた」と元F1ドライバー

フェルスタッペンと同じオランダ出身の元F1ドライバーであるギド・ヴァン・デル・ガルデは、『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』に対し、ペレスについて次のように語っている。

「彼は壊れてしまっていたよ。特にここで彼が犯したしくじりを考えればね」

「彼は壁にぶつかり、ほかのマシン3台にぶつかり、フロントウイングを2つも壊してしまった。それが止まらなかった」

「もしもマックスがこの調子をキープし続けていけば、間違いなく、彼はシーズンが終わる何レースか前にF1チャンピオンになるだろう」

■もうポイントを失う余裕はないとペレス

33歳のメキシコ出身ドライバーであるペレスは、散々な結果に終わった先週末のレースについて次のように語っている。

「僕はただチーム全員に謝るしかないよ。このようなミスは受け入れられるものではないからね。これから気持ちを切り替え、そこから学ばなければならない」

「今年の選手権で初めて犯した大きなミスだった。だけど、僕にはもはやゼロ(ポイント)で終える余裕などないよ」

■レース戦略もミスで空回り

レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、ペレスの予選Q1でのクラッシュは「愚かなこと」だったと語るとともに、そのペレスを決勝でばん回させるために、あえてミディアムタイヤでスタートし、すぐにピットに戻ってハードタイヤに交換してそれで最後まで走りきるという大胆な戦略を立てていたことを認めている。

「ストロール(アストンマーティン)とのクラッシュとフロントウイングの交換がなければ、それはうまくいっていただろう」

オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』にそう語り、そうしたことがなければ少なくともポイントには手が届いていただろうと示唆したマルコは、次のように付け加えた。

「その後、全てがうまくいかなかった。今シーズンの残りのレースではもう今日のような失敗がないことを願うよ。

■ペレスのミスは集中力の欠如?

予選Q1でのクラッシュが決勝にも悪い影響を及ぼしてしまったペレスだが、それはフェルスタッペンとのタイトル争いのことを考えるあまり、ペレスが集中力を欠いてしまった結果だろうとコメントしている者もいる。

だが、マルコはそうした声に対し、タイトルを狙えるという意識の方が強すぎたのではないかと、次のように語っている。

「集中力ではなく、恐らく、高揚感があまりにも強すぎたんだろう」

■まだタイトル獲得をあきらめないペレス

スウェーデンのストックホルムに拠点を置くストリーミングサービス会社『Viaplay(ヴィアプレイ)』から、まだタイトルを狙える位置にいると思うかと質問されたペレスは、次のように答えている。

「挑戦するつもりだよ。これからの数レースでは、いくつか勝ちを狙っていくつもりだ」

「タイトル獲得の望みをつなぐためにはそれが極めて重要だからね。だから、ベストを尽くすよ」

■ペレスにチャンスがないことは明らかだったとラルフ・シューマッハ

しかし、ドイツ出身の元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハは、実際のところ、ペレスがフェルスタッペンを破って2023年のタイトルを獲得するチャンスなど最初からなかったのだと主張している。

「今シーズンの彼は素晴らしいレースをしてきたし、獲得したポイントがレッドブルの強さを示しているのは確かだよ」

『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語ったラルフ・シューマッハは、次のように付け加えている。

「だが、マックス・フェルスタッペンの方が、より優れた、より安定したドライバーであることは、誰もが知っていることだ」。

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