2023年F1シーズンのドライバーズタイトルは、ここまでのところマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスによるレッドブルのドライバー同士の戦いになると予想されている。
■タイトル争いで大きく後退したペレス
しかし、先週末にモンテカルロ市街地サーキットで行われたF1モナコGPでは、ペレスが予選Q1でクラッシュするというミスを犯してしまい、抜きどころのないモナコでの決勝を最後尾グリッドからスタートすることになってしまった。
一方、今季好調なフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)との激戦を制して今季3回目のポールポジションを獲得したフェルスタッペンは、決勝でもその位置を危なげなくキープして今季4勝目を達成。
この結果、ランキングトップのフェルスタッペンと2番手ペレスとの差は39ポイントに開いてしまっている。
■アロンソの浮上に期待
こうした中、ペレスに代わって、今季ここまでの6戦のうち5戦で表彰台に上る活躍を見せているランキング3番手のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がフェルスタッペンのタイトル争いのライバルに浮上してくることを期待しているF1関係者やファンも少なくないようだ。
アロンソは、モナコで今季初の2位表彰台に上っている。この結果、ランキングトップのフェルスタッペンとの差は51ポイントに開いたものの、ランキング2番手のペレスとの差は12ポイントに縮まっている。
かつてトヨタなどで活躍したドイツ出身元F1ドライバーのティモ・グロックは、もしもフェルスタッペンとアロンソが、それぞれにとって3度目となるF1ドライバーズタイトルを争うことになれば、それは「F1にとって夢のシナリオになるだろう」と語っている。
■ほかのシーズンならランキングトップにいただろうとアロンソ
「僕が覚えているほかのシーズン、つまり2000年代や2010年代前半なら、今年のような結果を残していたら選手権をリードしていたと思うよ」
ここまでの6レースを、2位1回、3位4回、4位1回という成績で終え、93ポイントを獲得しているアロンソはそう語ったものの、実際には今季のタイトルを狙うのは無理だろうと次のように続けた。
「だけど、今はレッドブルとマックスが全てのレースを支配している。たとえすごくいい結果を残したとしても、あらゆるレースで僕たちはまだ彼らには後れをとっているんだ」
「選手権は長いし、僕たちもあきらめるつもりはないよ。でも、そのためにはここでセルジオに起こったような問題をレッドブルが抱える週末も必要だろうね」
「もし、マックスが1つでも2つでもそういう問題を抱えれば、僕たちもタイトルにもう少し近づけると思うよ」
そう語ったアロンソは、現時点では自分には2023年のF1ドライバーズタイトル獲得のチャンスがあるとは思えないと次のように付け加えている。
「これはモータースポーツだし、何が起こるかわからない。だけど、純粋なペースでは、まだ僕たちにチャンスはないと思うよ」。