先週末に行われた2023年F1第4戦アゼルバイジャンGPで、今季初めて3位表彰台を獲得したシャルル・ルクレール(フェラーリ)が、自分に関してささやかれている最近の噂を全面否定した。
■ルクレールにメルセデスとの交渉の噂
その最近の噂とは、フェラーリと2024年までの契約を結んでいるモナコ出身ドライバーのルクレールが、メルセデスとの間で移籍に関する話し合いをしているというものだ。
しかし、フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールは、こうしたゴシップに耳を傾ける必要はないと次のように主張している。
「ルクレールはフェラーリドライバーであり、ここにいて、ここでチャンピオンになりたいと思っているよ」
「まだシーズンは始まったばかりだし、これからもっと多くのゴシップが出てくるだろう。だが、我々にとってそれは話題にもならないものだ」
■フェラーリの一員であることは幸運だとルクレール
アゼルバイジャンGPの舞台となったバクーで昨年に引き続いてポールポジションを獲得したルクレール本人も、自分はフェラーリにいることに満足していると主張している。
「フレッド(バスール)には、チームの中長期的なビジョンがあるんだ」
ドイツの『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』にそう語った25歳のルクレールは、次のように続けている。
「間違いなく、フェラーリをトップに返り咲かせることができるのは彼だよ」
「もちろん、外部から見てもマシンに十分な速さがないことはわかるだろう。だけど、彼は個々の部門において何がもっとうまくいくかを見抜く目を持っているんだ」
それではフェラーリでF1チャンピオンになることができると思うかと尋ねられたルクレールは、「イエス」と答え、次のように付け加えている。
「いつの日か、自分がF1チャンピオンになることを夢見るとき、僕は赤いレーシングスーツを着て、赤いマシンから降りてくる自分を想像するんだ。だから、自分がフェラーリの一員であることを幸運だと思えるよ」
■フェラーリ内部での相互信頼が必要
しかし、ルクレールが中期的にチャンピオンになりたいのであれば、レッドブルやメルセデスと契約交渉を開始する必要があると考えているF1関係者も少なくないようだ。
しかし、ルクレールは次のように続けた。
「僕はそんなことは信じないよ」
「僕はこのチームを100パーセント信じているし、メカニックからチームのボスまで、全員を信頼している。でも、それは一方通行ではいけないんだ。チームも僕を信じなければならないよ」
そう主張したルクレールは、2025年以降どうするかについては明言を避け、次のように付け加えている。
「だけど、新しい契約について話をするにはまだ早すぎるよ」
■挫折を乗り越えることが必要
最近、レッドブル首脳のヘルムート・マルコが、ルクレールの現在の契約にも解除条項があるはずだと語り、2024年にほかのチームへ移籍する可能性もあると示唆したことも報じられている。
だが、ルクレールは、フェラーリでF1王者になることが自分の目標なのだと次のように続けている。
「途中では挫折もあるものさ。昨年も今年も僕たちは望んでいたような前進を果たすことはできなかった。これからそうしていかなくてはならないんだ」
「しかし、それに対処することができるようになる必要もある。ミハエル(シューマッハ)やジャン(トッド)もすごく大きなプレッシャーを受けていたけれど、それでも何度もF1選手権を連覇したんだ」
かつてフェラーリに黄金時代をもたらしたミハエル・シューマッハや当時のチーム代表であったジャン・トッドに言及しながらそう語ったルクレールは、次のように付け加えた。
「だから、僕たちも文句を言うわけにはいかないよ」。